50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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地方の日雇い労働者の悲惨な現実


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私は週に2日程度、日雇い労働者として働いている。つまりワンコールワーカーであるわけだ。そろそろ体力的に無理があるとも感じているが、中には65歳を過ぎてなお、毎日この仕事を続けられていらっしゃる方もいるので「そろそろ歳だから・・・」とは言えない。

さて今回は、地方の日雇い労働者の一端をご紹介することにしよう。なお、これはあくまでも地方に限定したものである。東京などの大都市圏の事情とは少々異なるので、この点はあらかじめご理解いただきたい。

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■地方日雇い労働者の交通手段

地方の日雇い労働者の場合、車での出勤が許されている現場が多い。大都市圏にお住いの方からすると意外に思われるかもしれないが、地方では公共交通機関があまり発達していないので、基本的に車社会なのだ。よって現場にもそれぞれ広大な駐車場が用意されていることが少なくない。

ただ、日雇い労働者の場合、誰もが車を所有できるわけではない。車はとかくお金がかかるからだ。よって地方であっても車を移動手段として用いない人もいる。

中には原チャリを用いる人もいる。原チャリであれば小回りも効くし、それでいて地域を限定するならば、車よりもむしろ早く目的地へ到達することができる場合もある。ガソリン代も維持費もそれほどかからないので、なかなか良い選択かと思う。

しかし原チャリさえも持たない人も少なくなく、地方において車やバイクを所有していない場合、移動手段は自転車かもしくは徒歩ということになる。

私の周囲には、自転車を移動手段として用いている人が多い。自転車であればガソリン代すらかからない。ただしこれで10kmを超える距離を通勤し、ヘビーな仕事をこなし、そして再び岐路に就くという繰り返しは、若くなければなかなかできるものではない。

■場合によっては時給350円が成立してしまう

さて、日雇い労働者の場合、交通費の支給はない。つまり自腹で交通費を支払わなければならない。よって公共交通機関を用いずに現場へと出かける人が多い。つまり車かバイク、もしくは自転車か徒歩によって現場に赴くわけだが、お金のかかる車やバイクの選択肢を排除する人が多いのも納得いただけることだろう。

先日現場にやってきた若者は、現場から60kmほど離れたエリアに住んでいた。さすがにこの距離を自転車や徒歩で移動することは困難なので、彼は最寄り駅まで電車できて、そこから現場までは徒歩でやってきた。ちなみに電車の往復でおよそ2000円が飛ぶ。

最寄駅から現場までは、本数は少ないもののバスを利用できる。ただしこれを利用すると運賃は往復で600円ほどかかる。このため彼は最寄り駅から現場までは歩くのだそうだ。

その距離およそ10km。時間にして1時間半程度はかかるようだ。往復3時間。これに電車の移動時間は往復で2時間。彼は移動に5時間を費やすことでこの仕事を得たことになる。

現場で1日働いても収入は6500円程度。そこから往復の電車代2000円を差し引いた4500円程度が彼のその日の収入になる。彼は移動時間も含めて13時間を使うわけだから、4500円割る13時間だと、時給換算で350円程度ということになる。

「家の近くに仕事はないの?」
「ええ、ここの所近くに仕事がなくて」

■地方の日雇い労働者に30代40代が多い理由

一口に日雇い労働者といっても、労働者の年齢層には幅がある。20代は比較的少ない。30代、40代が最も多く、50代以降は少ない。中には60代の方もいらっしゃるが、これも少数派ということになる。

目立つのは30代、40代。しかも彼らは皆独身であり、その多くが実家で生活をしている。これが地方における代表的な日雇い労働者のパターンである。そしてこれにはしっかりとした理由が存在する。

地方都市であっても、20代には多くの仕事がある。正社員になるチャンスもあるし、職種の選択肢もある。給与は安いが、少なくとも日雇い労働者として働く必要はない。ただ、ブラック企業に入社してしまった人もいるだろうし、職場でのコミュニケーションに馴染むことができなかったという人もいる。そして彼らは30歳を迎えたころ、我慢できずに仕事をやめることになる。

ところが、地方で30代になって正社員の道からはずれてしまうと、次の仕事を見つけるのは難しくなる。このため、日雇い労働者に落ちてくるというのが、一般的な流れだ。

ただし30代くらいであれば、実は必死に仕事を探せば、まだ正社員になる道はあるし、それなりの仕事を見つけることもできる。もし30代で仕事をやめてしまった人が、仮に家族を支える立ち位置にあるのなら、日雇い労働者を一時的にやることになっても、必ず別の仕事を見つけ出して再就職を果たす。そうしなければ生きていくことができないからだ。

一方、独身でしかも実家暮らしである場合はどうだろう。彼らに家賃負担はない。食費についても親に依存することができる。すると月々の生活費はさほどかからず、よって日雇い労働者であっても食いつないでいくことができる。その結果として、30代、40代の独身実家暮らしの人々が、日雇い労働者に多くなるというのが実際のところだ。

■日雇い労働者間で囁かれる「沼」の実態

日雇い労働に従事する労働者は、この仕事を「沼」と呼ぶことが多い。これは一度足を踏み入れたなら、なかなか抜け出すことができないといった意味合いで用いられる。

ではなぜ、過酷な労働でかつ低賃金、超不安定なこの仕事から、なかなか抜け出すことができないのだろうか。これにはいくつかの理由が存在する。

まずは人間関係を気にすることがないという点だ。日雇い労働者として働く30代、40代の人々は、これまでにもふれているように、多くの場合正社員から転がり落ちてきている。これにはそれぞれ異なる事情があるだろうが、人間関係に疲れてという理由を持つ人が目立つ。

日雇い労働の場合、その日の労働に限られるわけ上司や部下の関係はない。また、労働者同士で会話はするものの、毎日顔を突き合わすことはないので、密な人間関係を築く必要がない。

なお、日雇い労働者を派遣労働者と勘違いされている方も少なくないが、日雇い派遣は労基法で禁止されている。よって日雇いは請負労働者となる。指示は請負業者によってなされ、現場となる派遣先では基本的に単に働くだけである。

よって現場で働くクライアント企業の社員は、請負労働者の労務管理をすることはできず、よって残業を強いたりすることもできない。つまり「残業はしますか?」ときくことはできるが「残業をしてください」とはいえない。

このため現場において理不尽な指示をうけることも少ないし、帰りたければ大手を振って定時で退社することもできる。より多くの収入を得たい場合には残業をすることもできる。やりがいのある仕事はないものの、多大なプレッシャーを受けることもないし、責任を押し付けられることもない。

出勤日についても、日ごとの契約なのだから、自分で自由に決定することができる。毎日働きたいと考えれば毎日仕事の予約を入れておけばよい。仕事にあぶれる日もあるが、おおよそ予約通りの仕事を得ることができる。

また、用事ができれば前日までに仕事をキャンセルすればことが足りる。あくまでも立ち位置はフリーランスに等しいので、この辺の自由度は高い。この辺も沼たる所以である。

さらには、日雇い労働の場合、その日に現金を手にすることができるというメリットもある。これについては現場や請負業者によっても異なるようだが、現場で直接手渡されたり、業者のオフィスに赴くことで支給される場合もあるようだ。

また、週ごとや月ごとに日を決めて銀行口座に振り込んでもらうこともできる。つまり、低賃金ながら、働けばそれで現金を手にすることができるわけだ。このためその日暮らしでも問題がない独身者やネットカフェ難民は、一度この沼に足を踏み入れてしまうと、病気でもしない限り抜け出すことができない。

■沼の注意点

日雇い労働者についてあれこれと書くと、中には「それっていいかも」と逆に考える方もいるようだ。しかし何の将来的なビジョンも持たずに、この沼に足を踏み入れるのだけは絶対に避けることをお勧めしたい。

沼につかればその期間の職歴には穴が開く。これは再就職に大きな汚点となる。1年以内であればまだよいが数年となってくると、まず再就職はできないと考えた方が良い。

また、居やすいからと浸かっていると、あっという間に年齢を重ねることになる。30代であれば復帰できたであろう人も、40代以降になれば、復帰の選択肢は限りなくゼロに近づく。

仕事は過酷でしかも不安定性は頂点である。60歳を過ぎてなお、生きるすべを模索しなければならず、たぶんは生涯を沼で暮らさなければならなくなる可能性も高い。

よって、安易にこの沼に足をつけてはならない。雇用された形で生涯を終えることをお考えなら、大変であっても就職活動を続け、復帰の道を必死に模索し続けることをお勧めしたい。

 




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