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このレトリックなんとかならない?「国の借金国民ひとりあたり860万円」

■国の借金国民ひとりあたり860万円というレトリック

お国の界隈の人々は、このレトリック(修辞学:巧みな表現をする技法)がとてもお好きなようである。仮にこのレトリックに突っ込みを入れたのなら、多分はこんな答えが返るはずである。

「国の借金の総計は1087兆円である。国民の総数は1.2億人であるからひとりあたり860万円となる。なんら嘘はない」

確かにその通りである。しかし国の借金である国債は、その多くが日本の企業ならびに国民によって購入される。借金の債権者は日本国民なのだ。よって「国の借金国民ひとりあたり860万円」ではなく「国の借金国民ひとりあたりから860万円」と説明しなければならない。私たち国民は、国に対してひとり換算で860万円ものお金を貸している計算になる。

国の借金が国民一人当たり860万円というのは嘘ではないが伝え方に問題いがある。このような情報流布を行うために、小さな頃から塾に通い、多くのライバルを出し抜いて難関大学へと進学したわけではないだろうにと、底辺男の私はそう思ってしまう。

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■なぜこのような情報流布が必要なのか

さて、ではなぜこのような歪曲した情報の流布が必要となるのだろうか。国の借金をあたかも国民の借金であるかのように思わせるのにはそれなりの理由があるはずである。

この理由は容易に想像がつく。このレトリックを定着させることで、国民の意識を「それは大変だ」といった方向へとあおり、それはあたかも国民に問題があるかのように思わせれば、今後の増税政策もやりやすくなる。

年金を減額する一方で、介護保険料をさらに値上げし、消費税の増税を行う。なぜかと問われれば「国民一人あたり860万円もの借金があるからだ」と結ぶことだろう。また、消費税増税については、次のような論調も展開するはずである。

「日本の消費税額は諸外国のそれに比べてまだまだ低い。よってそのレートへと引き上げる必要がある」

なるほど。消費税率が高い国を見てみると、アイルランド、ポーランド、ポルトガル23%、アイスランド、ギリシャ、フィンランド24%、クロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルにウェー25%、ハンガリーに至っては27%となっている。また、イギリス17.5%、フランス19.6%、ドイツ17%となっている。これに比べて日本の消費税率は8%である。これを20%程度に引き上げても問題はなさそうである。

ただし知らなくてはならない真実もある。それは、消費税率が高い国のすべては、食料品における消費税率をきわめて低く抑えている。ちなみに消費税率17.5%のイギリスでは食料品に消費税を課していない。各国において食料品の消費税率は一般消費税率の半分程度の税率に抑えられている。

また、セーフティネットや年金についても万全なサポート体制が取られていて、国民は失業や老後について心配する必要がなかったりもする。つまり、高額の消費税を支払うだけのリターンを得ることができるわけである。

■海外に習う必要がある公務員給与水準

他国に習うという論調を展開する傾向にある政府や公務員だが、であれば公務員給与も米国やイギリス、フランスなどの先進国に習ってみてはどうだろうか。いやいや、国の借金がヤバーイというのならドイツやカナダ、オーストラリアに習うのも良いかもしれない。

ちなみに公務員平均給与額と国民平均給与額の対比を見てみると、米国がおよそ1.1倍、イギリスが1.15倍、フランスが1.1倍となっている。つまり公務員がわずかに国民平均所得より高いもののさほどの格差はない。まあ、お国の為に働いてくれている優れた人々なのだからこの程度の恩恵を受けるのはうなずけないこともない。しかし、ドイツ0.95倍、カナダ0.94倍、オーストラリアのように0.72倍といった国もあることをご理解いただく必要がある。

さて、これに対して日本の比率はどの程度かご存じだろうか。日本における公務員平均給与額は724万円である。対して国民平均年収は412万円であり、その倍率は1.76倍となっており突出した数値になっている。いかがだろうか。少々驚かれる数値ではないだろうか。

■公務員給与に関するレトリック

ところがこのような数値に対して「日本の公務員給与は他国に比べてもまだまだ安い」というレトリックが流布される。これもまた嘘ではないが伝え方に問題がある。

日本の公務員給与が他国に比べて安いという数値は、公務員給与や国防、強制社会保障事業の人件費の総計を国内総生産所得と比較することで得ることができる。ちなみにこの数値では、デンマーク16.9%、スウェーデン15.1%、フィンランド13.0%、ポルトガル12.9%と続くが、対して日本は6.2%となっている。国内総生産所得に対する日本の公務員などの人件費比率は格段に低いことになる。さて、ではなぜ他国はこれほどまでに人件費比率が高いのだろうか。

これには海外の諸事情が絡んでいる。まず、国内総生産所得に対する人件費には国防費が含まれている。ヨーロッパなど地続きの国境に囲まれている国々では、国防費に予算を投じなければ侵略のリスクが高まってしまう。このため、日本の防衛費とは桁違いのお金がかかる。

また、これらの国々において公務員の比率が多いのにもそれなりの事情がある。食糧安全保障問題だ。対外貿易において近隣諸国から格安の穀物や野菜などが輸入された場合、国内の農家は経営が成り立たなくなる。

日本の場合は廃業となる場合もあるようだが、これが拡大してしまうと、国内の主産業が衰退したり食糧自給率が大幅に低下してしまうことになる。仮に日本において採算がとれないからと、お米農家が減少してしまった場合、日本は日本国内で米を自給できなくなる。

「海外から輸入すればいいじゃん」と思われるかもしれないが、仮に主要輸入国と情勢不安になったならどうなるだろうか。日本人は一気にお米を口にできなくなってしまう。また、これをネタに外交交渉が不利になるリスクも多分にある。そしてこれは、海外の国々においても同様である。

よって国は一次産業を守る必要がある。このため農家の採算がとれない場合、国はその農家を公務員として雇うシステムがある。つまり農家の運営を国が保障するわけである。

人口に対する公務員の比率が高い国では、このようなシステムが機能している。公務員の数は多くなる。だからこそ、国内総生産に対する公務員などの人件費比率が高くなるわけであり「だから公務員給与が他国に比べて安い」ということにはならないのだ。

■結局日本はどうすべきなのか

さて、では日本は今後どのような対応策を取ればよいだろうか。これは意外なまでにシンプルな改革でことが足りる。

まずは、公務員給与を国民平均年収である400万円台にまで引き下げる。現在では、上場大手企業のしかも収益性の高い業態での平均年収額を採用しているようだが、これをあくまでも国民平均の年収水準にまで引き下げることが望ましい。公務員の方々には申し訳ないが、国がこれほどまでの借金をしているのだから致し方ない。ただし、いきなりこの水準まで下げてしまうと、生活が破綻する公務員も出てしまうことだろう。このため最低限のセーフティネットは用意しておくと良いかもしれない。

一方で、国防や食糧自給率低下のリスクに関わる産業に衰退が見られた場合、これを国がサポートする体制を設けると良い。つまり、国防費を増やすとともに農家などの運営自体を国が保障するわけだ。これらのセーフティネットがあれば、農家の人々は廃業することなく経営を続けることができるし、食糧自給率の低下を招くこともない。国民は安く安全な日本の食糧を得続けることができる。

国民に対するセーフティネットや社会保障事業にも拡充を図る。仮に失業をしたとしても今以上のゆとりを持って仕事を探すことができる。また、定年後に訪れる第二の人生も、何の心配をすることはない。

実際にこのようなシステムが機能している国は多い。そしてそれを実現するためであれば、消費税がたとえ25%となろうとも、人は消費を抑えることはない。

日本の貯蓄率は他国と比べても高い水準にあるが、これは自己防衛のためである。防衛の必要がないのであれば、国民は安心して所得を消費へと回すことができるようになる。すると、デフレは解消し企業の利益率は、大手のみならず中小零細に至るまで高まることになり、結果として給与水準も上昇する。

雇用についても、自分に必要な金額を稼ぎ出す労働をすればよく、過酷な労働や多大な責任を背負わされ、理不尽な状況に甘んじることはなくなるはずである。それでいて、国の財政には余裕が生まれることになる。

利益の再配分がしっかりと機能していれば、お金の循環が滞ることはなく、たとえ市場が人口の減少などを原因として縮小したとしても、その中で国民は安定した生活を維持することができる。今のように若者の高い自殺率も低減していくだろうし、老後破産などといった過酷な末路をたどることもなくなるはずである。

お偉い方々には、ぜひとも国民が皆笑顔で生きることができるような社会を築いていただきたいと思う。そしてそんな社会には、姑息なレトリックなどきっと必要がないはずなのだ。

 




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