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学歴社会と聞いて大学まで出たのに学歴が活かせないのはなぜ?


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先日ネットをあれこれと見ていて(いつも見ているが・・・)、ご自分のブログの中で「学歴社会と聞いて大学まで出たのに学歴が活かせないのはなぜだよ」との疑問を呈している若い方がいた。
その彼は、現代が学歴社会であることを認識し、大学へと進学したものの、就職活動において希望の企業から総スカンを食らってしまったという。

その大学がどこで学部が何だったのか、また、希望の企業とはどの程度の所だったのかに言及されていなかったので正確なことはわからないが、ちょっと気になったのであれこれと調べてみると、人材不足といわれる現在においても、このような問題を抱えている若者が多いことがわかった。

ということで今回は、「学歴社会と聞いて大学まで出たのに学歴が活かせないのはなぜ?」というタイトルで、その理由について考察を進めていくことにしよう。

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■現代もしっかりと学歴社会ではあるものの

あれこれと調べていくと、中には「学歴社会はすでに崩壊している」といったご意見もみられたが、結論から先に申し上げると、学歴社会は現在でもしっかりと存在している。

ただし学歴という捉え方には大きな変化が生じてきている。

これは需要供給バランスの変化といっても良い。需要と供給バランスに大きな変化が生じていることから、一昔前のように「大学さえ行っておけば」といった安易な目論見のみでは、多くの場合目的を達することができないのは確かだ。

さて、では需要と供給のバランスは、実際にはどのように変化してきているのだろうか。

■就職事情における供給側の変化

まずは供給側の変化から考察を進める。これには大学進学率の推移を見てみればよい。

現在では、高校を卒業した人のうち55%程度が大学へと進学する。これは地域によっても異なるが、ちなみに東京においては60%を超えてきている。つまり、過半数の人が大学へと進学するわけだ。ちなみに50年前の大学への進学率を見てみると、20%程度にとどまっていることがわかる。

大学にも様々なレベルが存在するが、これを一括りにして考えた場合、50年前には2割程度の存在でしかなかった大卒は、現在では6割程度にまで増加してきていることになる。

ざっくりとした数値なので、興味がある方は詳細をお調べいただきたいが、これを見ただけでも、大卒はすでに少数派ではなく、多数派であることが見て取れる。

つまり、大卒という括りのみで考えていては、他者との差別化を図ることができないことはご理解いただけることだろう。

■就職事情における需要側の変化

次は需要側の変化だ。つまり企業側、雇用側のニーズの変化についてみていく。とはいえ、現状においても採用の基本的なスタンスには大きな変化はない。

日本はモノ作りの国ともいわれているが、製造メーカーなども多い。これらの企業においては、現状でも大卒を事務職へ、高卒を現場へと振り分ける基本的スタンスを崩していない。

たとえば、ある製造メーカーに大卒と高卒のそれぞれの若者が採用されたとする。二人はともに最初の数か月から一年程度、工場において現場研修を行う。しかし研修期間が終わると、大卒はホワイトカラーへの辞令が下る一方で、高卒の場合は現場勤務となることが多い。まあこれ、業態や企業によっても異なるだろうが、おおよそそんな流れとなる。

これについては学歴の優劣というよりも、適材適所の配置を雇用側は重んじている。それなりの学問を学んできた人材については、事務職においてその知識を発揮させたいと考える。

しかし製造メーカーなのだから、現場で多くの人材を指揮する人間も不可欠である。よってここには今後現場において、さまざまなことを学ぶことになる人材を充てたいと考えるわけだ。ただし、現場における能力のある人材の雇用は難しい。能力のある人間は皆ホワイトカラーを望むからだ。

一方、ここ30年ほどで、ホワイトカラーの部分にも大きな変化が生じ始めている。また、この変化は今後も加速し続けることが予想されている。

まず1980年代以降から急速に進んだのは業務の電算化だ。それまで人の手によって行ってきた業務の多くが、コンピュータシステムに置き換わった。現在では「帳簿管理係」などといった職種はない。

また、今後は人工知能の導入が進むことになる。人工知能とて人と同様の汎用性のある能力を発揮できる域には到達していないが、それでも自然言語解析やパターン認識、さらにはビッグデータのマイニング技術は飛躍的に向上してきている。

このため、文書の解析や統計分析などは人の手を借りる必要はなくなりつつある。今後は文書の自動作成などもできるようになるだろうし、複数の業務を一括処理させるAIツールも普及し始めており、大手企業などには浸透し始めている。

つまり、ホワイトカラーのおおよその部分は、今後不要となる可能性が高い。実際にホワイトカラーのイスは年々減少し続けている。

企業はホワイトカラーというよりも、むしろ今後の企業運営を担う幹部候補を欲している。つまり少数精鋭の優れた人材を求めている。また、現場で人を束ねる人材を企業は求めている。現場においても今後はさらに自動化が進むことになるが、実はこの部分、人工知能に置き換えることが難しい作業も少なくない。

むしろ人工知能の能力を発揮できるのは、ホワイトカラーの部分なので、今後も現場の作業員や統括者に対するニーズは高止まり状態が続くはずだ。現状、求人倍率を押し上げているのは、むしろブルーカラーの職種となっている。

■アンバランスな状態にある需要供給

先にも申し上げたが、大学を目指された方の多くは、ホワイトカラーの職種を求めているはずだ。現場で汚れ仕事をするよりは、オフィスでスーツを着て快適に仕事ができればその方が楽そうだし、そもそも給与も高そうだというのがおおよその理由となる。ところが現状、大卒は現状少数派ではなく、多数派だ。

一方で、企業側はホワイトカラーよりもむしろ現場労働者を欲している。ホワイトカラーのイスは年々減少傾向をたどり続けており、この傾向は不可逆的に続く可能性が高い。

おわかりだろうか。

表面的には人材不足が叫ばれているが、その内情は、ホワイトカラー向け労働者の抜本的な供給過剰と、ブルーカラー向け生産労働者の供給不足といった実にアンバランスな状態が生じているわけである。

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■学歴社会で優位性の持てる学歴とは

さて、少々長くなってしまったが、これらの知識を踏まえて、現代の学歴社会や学歴をフルに活かす方法についてを次に考えていく。

冒頭でも述べているように、学歴社会は崩壊していない。むしろよりタイトなものとなっている。

現在、大卒は多数派であり、若者に石を投げれば大卒に当たる確率が高い。よって大卒という学歴のみでは優位性を持つことはできない。

また、採用側はホワイトカラーのイスの数を絞るとともに、少数精鋭の優れた人材を求めている。このため、学歴で優位性を保つためには、大卒の中でも優位性を誇示できる大学や学位の取得が不可欠となる。

よって学歴で勝負し、大手企業にホワイトカラーとして食い込むためには、旧帝大レベルや名の知れた有名大学に入学しておくことが必要だ。また、ビジネスや経営に直結する学部を専攻しておく必要もありそうである。工学系であれば人工知能に近い分野の学問も、現在では企業ウケがいい。

なお、これを実現し無事入社できたとしても、以降は熾烈なライバル競争を続ける必要がある。企業は、基本的に幹部候補を求めている。よってライバル競争に勝ち抜くだけの能力を有していない場合、ミドル世代になってリストラにあうリスクもあることを十分ご理解いただく必要がありそうである。

■学歴で劣勢なあなたが這い上がる方法

「なんだよ。それじゃあ俺の人生、お先真っ暗じゃねえか」

一流大学を卒業していな方は、これまでの説明をお読みいただいて、少々凹むこととなったかもしれない。しかし、凹む必要はまったくない。

これまでの需要供給バランスをしっかりと認識したうえで、就職先を選定すれば、大卒の学歴を有効活用することはできるし、十分に安定した人生を送ることは可能だからだ。

ホワイトカラーの職種が減少する一方で、ブルーカラーにおける統括的な部署には需要が高まっていることにつてい既に述べている。

ちなみにブルーカラー(blue-collar)とは、青色ではなく青襟を意味する。つまりは作業着を着た生産労働者のことだ。ブルーカラーとはいえ、ここでは若い方に向けてお話をしているので、その対象は季節労働者などの非正規労働者を示しているわけではない。

企業の多くは、ホワイトカラーよりもブルーカラーの正社員採用に苦慮している。確かにオフィスでワイシャツに比べて、現場で作業服というと少々抵抗感はあるかもしれない。だからこそ、企業は優れた人材を、ブルーカラーの正社員として取ることを困難なものにしているわけだ。

しかしこれ、売り手からすればチャンスなのだ。

少ないイスを求めて就職活動をするのも意味がない事ではない。しかし総スカンを食らってしまうのであれば、むしろ現場に近い職種を持つ企業や業態をターゲットとして、その大手を狙うことで、逆に上昇への道をつかみ取ることが可能となる。

大手企業でなおかつ現場に近い職種や業態では、数多くの労働者が働いている。中には、数名の管理者によって数百名の労働者を管理している部署もある。ところが、これを統括管理する人材の確保は困難を極める。

そこであなたの登場だ。

あなたは大卒である。まあ、ホワイトカラーの争奪戦にはあぶれるかもしれない。しかしブルーカラーの世界にはさほどライバルは存在しない。ここを狙えばいい。

「話はわかるが、ブルーカラーに近い職種では上に登れないじゃないか」

ホワイトカラーになって優秀なライバルに相手にされない人生を歩むのであれば、むしろ現場からたたき上げ、多くの人材を管理する側に回った方が昇進の可能性は高い。

実際に現場から、企業の役員や代表になる人間も存在する。

ホワイトカラーとして部下ゼロの職制になり下がるのであれば、むしろ、部下数百名の実質的な管理者を経て、上層部へと食い込む可能性を追う方が実現確率は高いのだ。

可能性をお考えいただければ、その道は、しっかりと見えてくるはずである。

■アンバランスな需要供給状態に存在するブルーオーシャン

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市場には需要供給が必ず存在する。需要がない市場では努力はおおよそ報われない。しかし大きな需要が見込める市場におけるチャンスは大きい。しかも大きな需要がありながら、それに見合う供給がなされていない市場には、大きな金脈が眠っていることが少なくない。

「皆が進む道だから」という理由のみで、あなたは人生を決定してはいないだろうか。

それではずっと格差社会の敗者でありつづける可能性もある。しかし、ブルーオーシャンをしっかりと見極めることができるのなら、あなたはきっと豊かで安定した人生を送ることに成功するはずなのだ。ちなみにブルーオーシャンとは、競争相手のいない未開拓市場を意味する。

凹むことなく、あなたの人生をしっかりと見定めることをお勧めする。あなたにも、登っていく道はきっと存在するものだからだ。

健闘をお祈りしている。

 


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