50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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下流老人になってしまった一億総中流の人々


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■一億総中流とは

バブル経済崩壊以前の日本は、一億総中流社会と呼ばれていた。私と同年代の方であれば、改めて説明するまでもないはずである。

一億総中流とは、1970年代以降の世相ともいえる。高校や大学を出てサラリーマンとして働き始めた彼らは、年齢と共に収入を上げることが可能だった。終身雇用制度と年功序列によって、安定した就労環境の中で徐々にではあったが基本給は上昇を続け、30代も半ばになれば、中流程度の生活はできるようになれたそんな時代だった。

おおよその世帯の収入は安定し「そろそろ家を持とうか」とか「どうせ車を買うのだからちょっとはグレードの高い車にしようか」と考える。また、駅のホームでは傘をクラブに見立ててスイングやフォームの練習をしているサラリーマンを各所で目にしたものだった。「実は私もゴルフを始めましてね」という言葉は、ある程度の安定を得ることに成功したサラリーマンが定番的に用いる言葉でもあったのだ。

そんな一億総中流が今、下流老人として苦しい生活を余儀なくされているという。これはなぜなんだろうか。

■一億総中流にも存在していた格差

一億総中流社会におけるバリバリの現役世代とは、現在の団塊の世代である。団塊の世代とは、第一次ベビーブームの昭和20年代に生まれた世代であり、すでに高齢者となられている。

この世代の方々は、その多くがサラリーマンとして老後を迎えられている。このため厚生年金の方が多く、また、納付以上の年金を受給することができる世代でもある。

現在の若者からすれば、うらやましすぎる世代であるはずである。にもかかわらず、一億総中流が老後において逃げ切ることができなかったのはなぜだろうか。

これには実は、高齢者本人以外の事情が絡んでいる。

団塊の世代の多くは、持ち家を所有し、単独であれば質素な生活の中で第二の人生を送ることが可能な人が多い。また、貯蓄額も多く、日本の個人金融資産の55%を高齢者が持っている。つまり下流老人ではない。

しかしながら、一億総中流と呼ばれた人の中にも、低賃金にあえいでいた人はいたし、自営業を営むことで国民年金に加入していた人々も少なくない。

これらの人々は、一様に年金額が少なく生活が苦しい。しかしそれでも、自分の生活を何とか維持することはできる水準にはある。

■下流老人へと陥る要因とは

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団塊の世代の中で下流老人へと落ちる人の多くは、本人以外に問題を抱えている場合が少なくなくない。たとえば彼らの子供、つまり団塊ジュニアの存在である。

団塊ジュニアは、1970年代前半の第二次ベビーブームに生まれた人々をいう。彼らはすでに40代後半に達しているが、実は現在の40代の多くは低賃金にあえいでいる。

20代、30代の人々は、最前線で働くことにより、人によっては高い賃金を得ることができる。ところが40代においては、現在では給与を上げる素材がない。年功序列で給与が上がることはないからだ。

しかし40代になると、最前線でパワーを持ってして仕事を行うだけの知力や体力もない。つまり若い世代にはかなわない。

それでいて、家族の生活を支えたり子供を大学に進学させるために多大な支出を余儀なくされる。貯蓄はなくむしろ負債が積みあがる。

また、何らかの事情において、これまでの仕事を辞めてしまったりリストラにあうと、再就職は難しい。つまり再起の道は40代の人々にはおおよそない。

このため団塊ジュニアの中には、実家に戻って生活をしたり、生活費を団塊世代に負担してもらう人も増えることになる。

当初は、老後を夫婦二人でささやかに生活をしていこうと考えていた人々の多くが、子供世代との同居の中で、予想外の支出を余儀なくされることになる。

貯蓄がなく最低限の生活を予定されていた方の場合、想定外の支出はそのまま困窮生活へとつながる。

■夫や妻の病による医療費負担

ぎりぎりの生活で第二の人生をしのごうと考えている方の場合、想定外の支出がそのまま困窮生活を招いてしまうことについて、先にふれた。

想定外の支出は、自らの身にも起きることがある。夫や妻が病に倒れることで、医療費負担が増大することもあるからだ。

若いうちは、自分や妻が病に倒れることはあまり考えない。イメージしにくい。ところが高齢者となってくると、様々な部分にガタがくる。

このため、どうしても医療費負担が増大する。ところが医療費負担の増加は、おおよそ計画の中には含まれていない。結果として、この部分が赤字となり、生活が困窮する場合もあるわけだ。

■今後老後を迎える人の下流老人対策

これをお読みの方は50代の方が多い。よってこれから老後を迎えられるはずである。そんなあなたが下流老人に陥らないためには、今から準備を始めておく必要があろうかと思う。

下流老人は、貯蓄が乏しい、頼れる人間がいない、支出に見合う収入がないという3つの条件に合致することで陥る可能性が増大すると言われている。よってこれに合致しないように準備をする必要がありそうだ。

まずは貯蓄だが、これについては固定費などを押さえることで生活費を下げ、その分を貯蓄に回す程度のことしかできないかもしれない。収入を大幅に上げることは難しいので、本業以外の収入源に目を向け、それで得たお金の一部を老後の蓄えにまわすことも考えたい。

また、頼れる人間については、家族を増やすことは難しい。もし独身であれば、少なくとも地元に複数のコミュニティに参加しておくことも有効な手段となる。また、老後において子供たちの近くに住むことを計画しても良い。

ただし子供たちの貧困を背負うケースもある。子供たちが貧困に陥らないための教育を施したり、安定した職業を選択するようにあらかじめ育てるということにも配慮したい。

支出に見合う収入だが、支出は先にもふれたように想定外のものが発生する。よって考え得るすべての支出を考慮し、それに見合う収入を得る必要がある。

ただし高齢者の段階において、仕事を得ることは難しい。また、年金額を上げることも難しい。よって先にも挙げた収入源を今から作っておくことが望ましい。

経済大国である日本だが、現在この国で生活することは意外なほど難しく大変である。時代の波の中で「一旦は中流として生きることができたはずなのに、老後においてまさか下流へと陥るとは…」と嘆かれていらっしゃる方も実際に目立つものである。

そんな人生をトレースしないためにも、早めの準備を始められておくことをお勧めしておく。まあ、他人事ではないわけなんだけどね。

 


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