50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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今後潰れる企業と成長を続ける企業の分岐要因


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ここのところ、日本においても大企業の粉飾決算やデータ偽装などが 特に目立ち始めている。データを改ざんするなど、嘘をつくことによって直面する問題をスルーしようとすることに問題があることは、誰にもわかっているはずである。当然のこと、改ざんを指示した者も、実際にそれを行った部署や当事者も同様であるはずだ。

日本人は不器用で愚直であり、本来嘘をつくことが苦手な傾向がある。正直であり臨機応変な対応は苦手なのだ。このため、データの改ざんには、それが組織ぐるみであったとしても大きなストレスが発生していたことだろう。さて、にもかかわらず昨今の日本の大企業において、このような問題が頻発する要因とはなんだろうか。これにはすでに終焉を迎えている古き欧米の企業精神を挙げることができるかと思う。

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■会社組織を崩壊へと導く意識

日本は小さな島国であることから、とかく海外の風潮や風習に影響を受けやすい。また、こと資本主義に関しては、欧米諸国に歴史があるこから、企業の多くは海外の手法に影響を受けやすい。

もともと資本主義社会とは、生産手段の私的所有および経済的な利潤追求行為を基礎とした経済体系であり、自由で平等な市民社会のことである。自由で平等であることは素晴らしいことだが、一方で富や権力を持った者は、資本を投下することにより、さらなる利潤追求をすることが可能となる。つまり不可逆的な格差社会が構築されてしまう。

また資本主義社会においての会社組織とは、資本家に利益をもたらすことを第一の目的としている。つまり利益至上主義に基づいており、会社は労働者のためにあるものではない。とまあ、ここまでは資本主義社会の構造からそれているものではなく、なんら問題がないように思う。

ところが、ひとたび巨額の利益を確保することに成功した資本家は、さらに高い利益を会社に要求することになり、ここから社会全体があらぬ方向へと傾いていくことになる。

法人が利益を追求することは当然のことだが、利益至上主義に傾き始めると、そこには多くの問題が生じ始めてしまう。たとえば、己の利益を優先するがゆえに、市場全体や地域への悪影響を無視したり、利益追求のためには違法行為やモラル違反もやむなしといった考え方が社内に蔓延してしまう。

本来法治国家においての違法行為は論外だが、利益至上主義を貫いてしまうと、法の上に利益追求が存在することになるわけだから、おおよそおかしな結果を招くことになる。

また、利益追求のために労働者の人件費をできうる限り削減していくわけだから、製品やサービスの品質低下を招くのは当然の事ともいえる。しかし多くの企業トップはこのことに気づいていなかったり、気づいていても目をつぶろうとする。

企業はコンサルを雇い入れ、利益率を2%向上させるための手法を模索したりする。コンサルもまた、古き利益至上主義のもとに独立した者が少なくないことから、電卓をはじいては生産効率を向上させるための作業改善を指示したり、下請け企業に対する発注単価引き下げを指摘しては、それを徹底的に推進することを提案することだろう。

しかしそこには、実際にそこで生産活動を行う労働者や下請け企業の生活に配慮する部分が欠落する。なぜなら、ベースには利益至上主義が存在するからである。利益さえ上げ続けることができれば、何の問題もないといった意外なまでの幼稚な思想がまかり通ってしまう。利益を追求するあまりに生じるゆがみを、利益至上主義は考慮することがない。しかしこの考え方は、すでに古いものとなり、通用しなくなり始めていることをご存じだろうか。

■これからの企業成長要因とは

もしこれをお読みの方の中で、将来起業を考えられており、しかもその会社組織を大きく育てたいと思われているのであれば、これまでありがちだった利益至上主義は、いったん横に置いておくことをお勧めしたい。というのも、今後の企業は、利益至上主義を貫いていては成長はおろか存続すら危うくなるからである。

企業にとって利益を追求することは最大の目的ではある。しかし利益を優先するあまり、周囲への悪影響に目をつぶっていては、その悪影響が結果的に自らを滅ぼすことになる。

最近では、企業の長期的な成長に不可欠な要因として、ESGの観点が不可欠といった考え方が世界的にも広がりつつある。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)からなる言葉であり、今後の企業の安定成長に不可欠な要因としての認識が高まってきている。また、これは機関投資家の間でも急速に広がりつつある。つまり、頭の良い資本家はすでにこのことに気づき始めている。

このため、ESGを満たすことのない企業からは資本を引き揚げる一方で、弱小であっても、しっかりとESGを満たしている企業に対しては、多大な投資を行うなどの傾向がある。これをEGS投資と呼ぶ。つまり、企業が今後生き残っていくためには、これらの要因を満たす必要があるわけである。

実際に日本においても、この動きに気付いている企業が目立ち始めた。たとえば大手企業の中には、利益至上主義の撤廃をうたうところも増え始めた。また、利益を追求する以前に、周囲の環境や人材、労働者や関連企業の生活に配慮することを宣言する企業もあるようだ。

会社とは、あくまでも利益追求のための組織ではある。しかし会社の存在意義とは、その会社があることで、多くの人々に富や利便性をもたらしたり、市場が活性化したり、多くの消費者が幸せになることにあるものだ。そして、これまでに蔓延していた利益至上主義では、これらを果たすことはできず、結果として独りよがりの存在を逸脱することはできない。自分のためだけに存在することを考えていては、どのみち市場からははじき出されることになる。

考えてみれば至極当然の事なのに、これまでの成長企業の多くは、この点に気づかなかったり目をつぶってきていた。しかし今後、この手の企業に成長はない。

このため、これから起業して組織を大きく育てたいとお考えであるならば、会社を中心として、関連する市場や人々、バックヤードなどのすべてを幸せにするために活動していただければと思う。また、すでに法人をお持ちであるのなら、いち早い軌道修正を行うことをお勧めしたい。このことが、企業存続や拡大のための大きな要因のひとつとなるはずだからだ。

利益とは無理やり絞り出すものではなく、需要供給の乖離を埋めたり、周囲の人々や環境をより良くするなど、多岐にわたる社会貢献の後からついてくるものなのだ。

 


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