50代からの貧乏ながら気楽な人生

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働き方改革実現会議で挙げられたテーマについての私的考察


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少し前の事になるが、平成28年9月27日、安倍総理が総理大臣官邸で第1回「働き方改革実現会議」を開催している。今後、有識者などの意見を交えながら、働き方を改革実現するために、実質的な論議を交わしていくという。また、今後のテーマとして9つの項目を挙げている。

政府が働き方について検討を進めるのは悪いことではないと思う。ただし論議を交わすのみならず、具現化していかなければ、結果として絵に描いた餅に過ぎないこととなる。突っ込みたい事は多々あるが、あれこれと批判をしているばかりでは意味がないので、この会議において今後検討される各々のテーマについて、その対策モデルを記していきたい。

なお、ここでご紹介する策は、有識者が統計データの数値を挙げつつ、机上理論を述べるものではない。実質的な具現化策であり議論の段階とは異なる。とはいえ、おバカな中年男の個人的な意見なので、もしお読みになる場合には、お気楽に願いたい。また、その一方で政府関係者の方々は、すぐにでも実行に移していただきたいと願うばかりである。

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1)同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善

労働人口の4割にまで膨らんだ非正規雇用の処遇を改善していただけるのは消費拡大の観点からも重要な部分である。ただしスピードが問題になろうかと思う。大手の内部留保を市場に流すためにも、ある程度革新的な処遇改善を政府が指導していく必要があろうかと思う。

また、非正規労働者の問題は、公務員内部でも大きなものとなっている。民間に対してはなかなか手を出しにくいこの問題も、公務員問題であれば政府はいち早く着手できるはずである。改善モデルとしてまずは公務員における収入格差問題を改善されてみてはいかがだろうか。抜本的な改革の末に、これを民間企業に示すことで、処遇改善傾向に拍車がかかるように思う。

2)賃金引き上げと労働生産性の向上

最低賃金をさらに引き上げる必要があろうかと思う。ただし人件費が増大するわけだから苦しくなる企業も多いことだろう。そこで上場大手から先行して対策を講じるのはいかがだろうか。大手企業における同一労働同一賃金を進める。すると非正規労働者はより高い待遇を求めて動き始め、中小零細では人材不足が発生する。中小零細企業では、高い賃金を支払うことができない企業は非正規労働者の雇用を制限するが、人材不足では立ちゆかない業態では、より高い給与を提示することで人材を確保しようとするようになる。結果として時給は上昇傾向を辿ることになる。

なお、労働生産性の向上は、今後黙っていても加速する。人工知能を用いたシステムがより多くの業務をこなすようになるからだ。よって労働生産性向上を論議するよりも、むしろ生産性が向上することによる失業率の増加対策に目を向けるべきである。また、いくら生産性を向上させたからと言え、需要が拡大しなければ結果としてモノは売れない。需要拡大策を政府主導で実行する必要がある。

3)時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正

時間外労働の上限を政府主導で行うのは容易である。企業に対すして勧告すれば良いからである。しかし単なる規制では、この問題は水面下でさらに大きな問題に発展する可能性が高い。定時にタイムカードを押させてから残業を行うことを暗に指示する企業が後を立たないからである。よってサービス残業に対する今以上の重い罰則を設ける必要がある。また、政府は労働者からの企業の罰則違反を匿名で受け付ける直属の窓口を設けるべきである。

4)雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題

雇用吸収力の高い産業とは何だろうか。もしその産業における労働者が過酷な労働でなおかつ低賃金であった場合、いくら人材不足で雇用吸収力が高くても、新たにその産業を目指そうとは考えないことだろう。よって需要があり、雇用吸収力の高い産業は、いち早く賃金を引き上げる必要がある。

高待遇となれば、黙っていても人材は集まり始めるものである。現状人材不足となっている雇用吸収力の高い産業とは、低賃金で過酷な労働条件が設定されている場合が多いのだ。実際に、介護施設などは常に人材不足にあえいでいるが、人材は集まらない。この部分の待遇改善と同時に規制緩和策による市場のさらなる拡大が急務となる。

5)テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方

本業のみでは生活が成り立たないわけだから、生きていくために副業や兼業は致し方ない。本ブログでも副業については推奨してきている。ただし、政府がダブルワークを推奨する国はどうなんだろうかとも思えないでもない。すでにこの国は先進国ではなくなってきているように思う。多くの労働者が勤め人になることができないことから、自ら商売をして生きる様は、発展途上国のそれに等しい。これを政府が認めてしまっているのは国民の一人として寂しい。

ただし、それでも政府が副業や兼業を進めるのであれば、小さなビジネスを展開しやすい市場に注視し、企業に属さなくても生きてくことができるような規制緩和を行う必要がある。また、これまでサラリーマンとして生きてきた人々が、自らビジネスを展開するためには、それなりの意識やノウハウ、考え方、行動力が必要となる。このようは啓蒙活動を独自に行う必要もあるかもしれない。

6)働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備

女性や若者が活躍しやすい環境を整備するためには、サラリーマンの雇用制度を見直す必要がある。ただし解雇しやすくするだけでは、企業は無駄な人材を切るだけで女性や若者を新たに受け入れることはない。正社員の雇用制度を緩和させるのであれば、それによって削減した人材を上回る新たな人材を雇用しなければならない仕組みがどうしても必要となる。企業が人件費の削減目的で既存の正社員を切ることができるのみでは、これによって新たな失業者を生み出すだけとなりかねないからである。

また、正社員雇用制度の緩和を進めるのであれば、同時にそれによって失職をした人材に対するセイフティネットをしっかりと整備する必要があることだろう。女性や若者を活躍させる方向にバイアスをかけると、自ずと中高年の失業率は上昇する。中高年には家族がおり、貧困から負の連鎖が生じてしまう。この問題にも同時に対策を打つ必要がある。

7)高齢者の就業促進

現在の高齢者層には、まだまだ働くことができる人材が多く存在する。しかし企業側からすれば使いにくいのも事実である。そこで最低賃金を高齢者であるか否かで切り分ける方法も考えられる。たとえば60歳までの最低賃金を1500円とする一方で、60歳以降の最低賃金を1000円程度に押さえる。すると企業は人件費削減策として高齢者を雇用するようになる。ただしこれだけでは、高齢者に対して過酷な労働を強いる企業が増え始めるので、高齢者の労働には、ある種のガイドラインが必要となる。

8)病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立

子育てや介護で問題になるのは、それに時間をとられることから仕事にあてるだけの余裕がない一方で、生きるために働くことで、子育てや介護をおろそかにならざるを得ない事情がある。これを改善するためには、子育てや介護を行う人に対する手厚い補助が必要となる。また、病気の治療に専念するために働くことができない人に対する補助も同様である。

昨今生活保護費は削減傾向にあるが、これでは問題は解決しない。むしろ本来は働くことができるのに生活保護に依存する人々を洗い出す機関が必要となる。これによって捻出された資金を、病気や子育て、介護などを余儀なくされる人々に対してあてるモデルが不可欠となる。

9)外国人材の受入れの問題

対外的な事情も抱える日本だが、海外の移民を受け入れた先進国の多くは、治安や雇用状況をさらに悪化させてしまっている。現在日本には働きたくても仕事がない人々が多い。まずはこの人々に雇用を与えることに力を注ぐべきである。

外国人材に政府が目を向けているのは、一部で人口の減少により、今後は人材確保が難しくなるといった考え方もあるようだが、今後、発展するビジネスモデルの多くは、人材を必要としない。人口が減少傾向にシフトしたとしても、それを補填するだけの生産性向上は可能である。わざわざ外国から人材を受け入れる必要はない。


働き方改革実現会議については、今後も回を重ねることになるはずである。その動向には興味があるが、有識者が数多く集まり協議がなされる結果は興味深い。どのような政策がなされるのか。ただ、少々の不安も残る。有識者には経済界の方々が含まれるのだろうか。もしくは派遣会社の経営陣が含まれるのだろうか。たとえばそんな人材の意見を優先して政府が参考にしていては、どうしても企業寄り、派遣会社寄りの政策しか捻出されないように思う。より幅広い層の意見を採り入れるべきだと思うがいかがだろうか。すべては個々の国民のために。そしてその結果として健全な国家が形成される。そんな政策であって頂きたいものである。

 

 


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