正社員でなおかつワンコールワーカーの月50万円を稼ぐスーパーマン
■週3日の労働でもなんとか生きている理由
俺は最近、ワンコールワーカーとして週3日程度労働をしている。
「安い時給の仕事で、なおかつ週に3日程度の労働で、実際生活などできるのか?」
と、このように思われるかもしれない。確かにこの程度の労働では、一般的な家族が生活するだけの収入を得ることは難しいといえる。しかし実は、俺がこのような生活を続けているのには、いくつかのカラクリが存在する。
俺は現在、ワンコールワーカー以外にもいくつかの収入源がある。とはいえ、稼いでいるといえるほどの収入はない。まあ、微々たるモノであるわけだが、それでもそれらの収入モデルが、俺の労働時間を削減してくれているのは確かである。
また、支出は年々減少傾向にある。すでに子供たちは独立しているので、教育費などにお金を掛ける必要もなく、また、これといった債務もない。さらには、日々お金を使わない生活を基準としている。とはいえ、食材は必要であるわけだし、公共料金にもお金は必要である。しかしあれこれと考えては削減方法を考えていくと、節約を超えた支出制限は可能となるものである。これについては、何度か記事としてご紹介している。
一般的にいわれる豊かな生活はできないが、必要なモノはあまりないし、自由な時間を使い、徐々に収益を上げようとしている。支出は削減方向へ、収入は微量ながら上昇方向へと向けようとしている。また、収入を超える支出はないので、その結果として、家族はあるものの、今のところなんとか生きている。ちなみに、独身であれば他に収入源をもたずしても、週3日程度の労働で生きていくことは十分に可能だと考えている。
■シンプルすぎる方法で年600万円を稼ぐスーパーマン
ところがである。世の中には様々な考え方を持つ人がいる。ワンコールワーカー仲間に40代の男がいる。この彼の生活が凄い。
彼は、食品工場で働きながら、ワンコールワーカーでもある。つまり正社員であり非正規労働者でもある。当初俺は、彼からそう聞いたとき、何をいっているのか意味がわからなかった。正社員としてひとつの仕事に就いていたら、ワンコールワーカーとして働くことはできないはずだからだ。ところが彼の日々の生活を聞いて驚いた。
彼の正社員の仕事は、シフト勤務なんだそうで昼間の時もあれば、深夜の時もある。このため、昼間に仕事があるときは深夜に、深夜に仕事とがあるときは昼間に、ワンコールワーカーとしての仕事を入れているという。
「そんなスケジュールで、いつ寝るんだい?」と俺が聞くと、
「1、2時間程度は時間がとれるんですよ。その時に寝ます。また、仕事が休みの時には5時間程度は寝れるし問題ないです」
「本業が休みの日にも働くわけ?」
「ええ。仕事を入れています。ちなみに今年はまだ休んでないかな?」
さわやかな顔で言ってのける彼だが、超絶な生活である。
正社員とはいえ、地方都市の食品工場だから、給与はさほど高くはないことだろう。また、過酷なワンコールワーカーとしての仕事も、東京のハンバーガーチェーンで働く高校生より時給が安い。つまり、いずれにしても低所得であるわけだが、彼ほどの潔い働き方をすると、そんな低所得の末端労働であっても、トータルで月50万程度は稼げるんだそうだ。
これには驚く。ダブルワークが問題化しているが、ダブルワークを強いられている労働者の生活は、多くの場合困窮しているものである。ところが、手取りで年600万円を稼いでいるのであれば、よほどアンバランスな生活をしない限り、困窮することはないに違いない。
■誰にでも必ず存在するはずの困窮生活脱出策
「そんな生活をしていて、身体は大丈夫?」と、さすがに心配になる。
「もう10年程続けてきています。問題ないです」
いやはや、スーパーマンである。これほどのバイタリティがあるのなら、自営で何か始めた方がいいのではないかと提案するが、「いやあ、俺馬鹿なんで」とさわやかに笑う。
現在、日本においては数多くの生活困窮者がいる。俺としては支出を最小限に抑えることで、困窮生活を回避することが望ましいと考えているし、これについては何度も記事にしてきている。ところが、支出を抑えず、しかし学歴もスキルもなく、ただただ労働時間を拡大するだけで、収支バランスを図ってしまう人もいるのだ。
さて、いかがだっただろうか。
生活困窮者の中には、学歴がないから、スキルがないからという理由で、困窮生活に甘んじている方が少なくない。また、高学歴を持ちながらも、プライドが邪魔をすることで、困窮生活を招く人も少なくないことだろう。
しかし、さわやかな顔をしながらも、「寝ない」という実にシンプルな方法によって、バランスをとろうとする人もいるのである。
現在、あなたが生活に困窮しているのなら、是非ともご自分の持つ何かを使って、現状から脱していただきたいと思う。「寝ずに働け」といっているわけではない。これはむしろやめた方が良いと思う。でも、何も武器を持たずに戦い続ける戦士を見るに付け、誰にでも必ず、現状から抜け出す方法はあるのではないかと、考えさせられたわけである。