50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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ワンコールワーカーに転がり落ちる人々にパターンはあるか


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■底辺に生きるワンコールワーカーの経済的状況

ワンコールワーカーとしてあちこちの現場を回るようになって、若者からミドルまで多くの知り合いができた。最近は、初めての現場に行っても、ほぼ必ず知り合いがいるので、ヘビーな仕事の中にもちょっとした楽しみを見いだせるようになりつつある。

ただし、今後の収入確保の準備作業にも忙しくなりつつあるので、ワンコールワーカーとして働くことができるのは、せいぜい週2、3日程度という状況が続いている。まあ、この程度が俺的にはとても合っているような気もしないではない。

さて、多くのワンコールワーカーを知るようになって気付くことだが、年層に関係なく未婚の人がとても多い。考えてみればこれは必然的なことであり、必死に働いても年収が200万円にも届かない状況下において、結婚を考える余裕は限りなく少ないことだろう。

「結婚は?」と彼らに聞くと、「一人でも生活がギリギリなのに、家族を養うことなどできるわけないじゃないっすか」と、怒られてしまう。

また、未婚でありながら比較的年層の高い人間の中には、年老いた両親と暮らしているという人もいる。半ばパラサイトシングルである。高齢の母親は、家で内職をしていて、それを手伝う傍らで、仕事があれば、ワンコールの日雇い仕事をうけるという人間もいた。

このように、非正規労働者の中でも、底辺に生きるワンコールワーカーの経済的状況はきわめて厳しい。

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■ワンコールワーカーに転がり落ちる人のパターン

さて、それではワンコールワーカーの層に転がり落ちてくる人とは、どのような人間なのだろうか。そこには何らかの共通点が存在するだろうか。実はこれには、いくつかのパターンが存在する。

まず第一には、夢を追い続けている人々だ。今後何らかの起業を予定しており、その準備期間として時間を割く必要があることから、正規社員として働くことは難しいという人々である。

確かに正規社員となると、長時間労働を余儀なくされることだろうし、当然のこと、ウイークデイはフルに働く必要がある。一方で、必要な時に必要な最低限の仕事を確保することのできるワンコールワーカーは便利と言えば便利である。ただし、夢を持つ人々は、比率的には極めて少ないと言える。

第二のパターンは、コミュニケーション能力がきわめて低い人々だ。これらの人々を見ていると、一般的な企業でフルに働くのは難しいだろうと思える。もし、知識ややる気があるのなら、部屋にこもってでもできる仕事を見つければ良いとの助言をしてさしあげたいが、彼らは人との交流を極端に嫌うので、近づくことはできない。

そして第三のパターン。特に若者に多いが、「俺、高校を中退してて学歴がないんで」という人々だ。彼らに言わせると、最低限高校くらいは出ていないとまともな職業には就けないという。「営業でのし上がるって手もあるよ」といっても「営業はちょっと・・・」といった具合で話が途切れてしまう。加えて、長いことワンコールワーカーだったりすると、職歴にも穴が開いてしまうことから、正規社員への道は閉ざされていく。

第四のパターンは、ミドル以降の方々だ。ミドル以降になって仕事にあぶれ、他に職業が見つからないという人々である。本来であれば、安定した職業に就きたいと考えているものの、高齢と言うことでどこも採用をしてはくれない。しかしだからと生活をしないわけにはいかないので、最も仕事を得やすいワンコールワーカーとなるわけだ。彼らの顔には、一様に「不本意」という文字が浮かぶ。

そして最後、第5のパターンは、知力も能力も、そして学歴さえもありながら、ワンコールワーカーに転がり落ちてきた人々である。彼らが仕事ができるであろうことは、共に仕事をすればすぐに分かる。頭もかなり切れる人も少なくはない。彼らがなぜこのような仕事に甘んじているのかについては、彼らの口から語られることは少ない。

それでも「なぜ?」と聞くと、「いろいろあるんですよ」とぼかされてしまう。「いろいろ」とは、たとえば借金を抱えてしまっており、昼夜の労働を余儀なくされている、大手企業を安易にやめてしまったが次の就職先が全く見つからない、重い責任を負わされた前職に絶えきれず重労働の方がよほどましと考える人々など様々だ。ただし、事情はあるものの彼らとて、最低の賃金を望んでいるのではない。何らかのチャンスや救済措置があれば、すぐにでも抜け出そうという気はあるのだ。

■非正規労働者の9割は現状を望んでいない

「底辺にしかいれないのは、それなりのスキルしかないからなんじゃないの?頑張ってスキルを磨けば、這い上がれるのにそれをしないんだから当人の責任じゃん」

ネットを見ていると、このような類のコメントを見ることが少なくない。しかしこれは、問題の本質を認識していないからこそ出る発言といえる。

現在、一度非正規労働者に落ちたなら、正規社員へと戻ることは難しい。よって末端の労働を余儀なくされる。つまり選択の余地がない。このため、スキルを磨きたいと考えても、その機会を得ることさえできないのだ。しかも非正規労働者として働く人々の9割程度は、その現状を望んでいないというのが、同じフィールドに身を置く俺の実感である。

実際、先の発言をされる人々も、一度落ちてしまえば、その多くは這い上がる策を見つけることができない。語るのと実際に這い上がるのは、次元が異なるほど難易度の差が存在するものなのだ。

政府には、底辺の各所で生きる若者を引き上げる策を講じていただきたいと考える。底辺で生きる彼らは、本来であれば、もっと日本に貢献することができる人々である。むしろ、このような層を改革すべきである。

一億総活躍社会を目指すと公言しているのだから、政府には「総」を見る責任が生じている。このことを、しっかりと認識していただきたいものである。

 


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