老後破産リスクとその回避策を考えておく
■老後破産という言葉を最近良く耳にする
老後破産という言葉を耳にするようになった。定年退職をした後に生活が立ちゆかなくなり、破産をすることをいうそうである。必死に働き、子供を育て上げやっと第二の人生だと思った矢先に破産など、絶対に考えたくはない悲惨な状況だ。しかし、実際にこのような方々は少なくないという。
老後破産となるリスク要因としては、年金額が足りない、家族がいない、借金がある、などを考えることができる。
そもそもリタイヤ後には、なかなか仕事には就けないはずである。にもかかわらず年金額が生活費に足りないとなれば、困窮状態を見ることは容易に想像がつく。また、この際に頼るべき家族がない場合、問題はひとりで解決しなければならない。
家族はいるものの、負担をかけたくないという方もいらっしゃることだろう。さらには、年老いてなお多額の借金をかかえている場合も悲惨である。
よって、もしまだリタイアしていない状態で、なおかつリタイア後には、そんな状況へと追いやられるリスクがあるとお考えであるならば、今からでも遅くはないので、何らかの手だては考えておく必要があるだろう。
■リタイア後に快適な生活を得るために
本ブログでは、各所において、若いうちから、老後にできるなんらかの仕事を準備しておく必要性について書いてきている。
本業で生活が維持できる状態において、小さくて良いので、少しずつでも利益を生むことのできる何かを、時間をかけて構築していく。これさえできれば、老後はその仕事を本業とすればよいわけだから、たとえ年金で生活できなかったとしても、命をつないでいくことができる。同時に生き甲斐を得ることができることから、第二の人生も輝くものとなってくれるはずである。
また、借金を抱えている場合には、これを何とかする必要がある。まあ、リタイアしてからでは、借金をしたくてもどの金融機関もお金を貸してくれることはないので、借金が増えるリスクはないかもしれない。よってこのような方の場合は、若い頃に作った借金の返済に追われていることが予想される。
もし年老いてなお、返済のメドがたたないのであれば、自己破産も選択しのひとつとなることだろう。これこそ老後破産ということになるが、実はその詳細状況は少々異なる。
老後破産とは、困窮する状況が恒久的に続くことをいうことが多い。しかし自己破産は、申請し受理されてしまえば、その時点で借金は面責される。つまり、それから以降、返済に追われることはなくなる。このため、生活を立て直すチャンスを作り出すことができるわけである。
自己破産は、資産を抱えたままは難しい。しかし任意整理であれば資産を手放すことなく進めることができる。任意整理とは、債権者との打ち合わせにおいて、借金の一部を面責してもらったり、返済額を減額してもらうことだ。
任意整理には、弁護士や司法書士の力を借りると良い。これで返済地獄からは、抜け出すことができるはずである。
また、その後もまったく生活が成り立たないというのであれば、生活保護申請も視野に入り始める。年金では足りない部分のみを保護申請することもできるし、生活保護でまかなうことができるホームへと入所することもできる。これらについては、粘り強く地方自治体の窓口を訪れることである。
さて、このように複合的な策は存在する。このため、「お金がないから、生活ができないから、死ぬしかない」といった考えを持つ必要はない。
大丈夫。誰にだって生きるチャンスは残されている。
ただ、その時になって悩むのでれば、やはり若いうちから、しっかりとした準備をしておく必要はあろうかと思う。また、その準備は、早ければ早いほど良い状況を生むはずである。遅くとも50歳になったのなら、是非とも老後の準備を氏ていただきたいと思う。
その事前準備は、きっと第二の人生を、明るく楽しいものとしてくれるはずだからだ。
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