第二の人生の仕事は案外なんでもできそうだよという話
私は今年60歳になるわけであり、これについては何度も申し上げてきているので、ご存知の方もいらっしゃるはずである。
ご存であったからと、所詮は底辺男のことなので、これといった価値はないわけだが、まあそれはさておいて、60歳になるということは、第二の人生がスタートするということである。
多くの方は、第二の人生においても現役世代の何らかの流れの中で仕事を持たれることになるはずだが、私にはそんな流れもないので、さてどうしようかということになる。
そこで、まずは知識だとばかり、可能な選択肢をとりあえず模索してみることにした。
選択肢がなければ、選択することすらできないからである。
で、まずは単に職を求めるという選択肢についてい調べた。シニアの場合、職は限られてくるのはわかっていたつもりなので、収入を高くとか、好ましい仕事といったことよりも、とりあえずは食いつなぐ環境を作らなければならない。
この観点でのシニアの選択肢が可能となるかについての模索となる。
■まずは定番のシルバー人材センターへ
ということで、まずは、知識の中にもあった定番のシルバー人材センターに行ってみることにした。
これについては、動画にも上げているのでご覧いただければと思うが、シルバー人材センターは、社会貢献や生きがい探しのために軽易な仕事の斡旋を受けることのできる機関であり、都道府県知事の指定を受けた社団法人とある。このため、原則として市区町村の単位に設置されている。
また、シルバー人材センターでは、概ね10日以内の臨時的かつ短期的な就業、または1週間当たり概ね20時間を超えない就業に限られるといった条件があった。
これは、この期間の目的が、生活を維持するためというよりも、健康や生きがい作りを目的とするための仕事の斡旋となっているからである。
よってガッツリた働きたいと考える方には少々ニーズに乖離があるわけだが、センターの会員となっておけば、毎月応募可能なリストが届くので、空いた時間に合致する仕事をいれるといった使い方はできるかもしれない。
■その足でハローワークも訪れてみた
で、これはまだ現在動画とはしていないが、実はその足でハローワークへも足を運んでいる。
ハローワークは、ミドル以降が仕事を探しても、生活を維持することができる仕事はなかなか得られない場合が少なくない。また、応募しても書類審査で蹴られるなどの問題もあり、距離を置いていた。
しかしミドル以降の仕事は、別段正社員である必要はない。また、子供たちはすでに独立をしているわけなので、ガッツリと稼ぐ必要はない。つまりミドルの頃とはこちら側のニーズが変化している。そのニーズを埋めるための仕事が得られるかの検証であったわけである。
で、結論から申し上げるに、仕事は私の住む地方都市でも多く存在した。
「ほんとかよ?」と思われるだろうか。実はこれには、タネがある。第二の人生における仕事であるわけだから、正社員雇用の仕事を探す必要はない。よって端末の検索条件は、パート・アルバイトとしたわけである。
いずれも表示される仕事は安いものばかりだが、企業は正社員よりもむしろパートなどを募集する傾向にあり、安くても良いのであれば、選択肢はぐっと広がるし、敷居もかなり下がる。実際求人フリーペーパーなどよりも選択肢は広がるので、使う価値はありそうだった。
また、60歳以上を対象とする仕事の検索も可能となっていて、これであれば年齢を理由に切られることはなさそうである。
パートタイムの仕事が多かったが、これらを自らスケジュール管理するのであれば、複数の仕事を重ね合わせてフルタイムとすることも、逆に午前中だけ働くこともできる。
まさかパートで副業を禁止している企業はないだろうし、あったとしてもそんな企業を選択しなければよいわけだから、働き方のアレンジは自由に行うことができる。
低賃金の仕事しか得られないわけだが、第二の人生は所得よりもゆとりある時間を大切にしたい。とするならば、別段、フルタイム正社員を目指す必要はないわけである。
■クラウドソーシングやギグ・エコノミーの活用
なお、以降については少々敷居が上がるかもしれないが、やりようによってはシニアでも仕事を受けることは十分にできる。
まず最初のクラウドソーシングとは、クラウド(群衆)とソーシング(業務委託)からなる造語であり、業務発注者がインターネットを介して不特定多数の人に対して仕事を依頼する雇用形態のひとつといえる。
仕事としては、ウェブの作成やプログラミング、ウェブデザインなど専門性の高いものが少なくないが、指定される内容の執筆や体験談のレポートなどもある。
クラウドソーシングで収益を上げるためには、まずは仕事を選ばずに実績を上げ続ける必要があったり、当初は頑張ってもさしたるカネにならないといった側面はある。
これは雇用ということではなく請負の仕事であり、つまりはフリーランスに等しい働き方であるためである。よってこれまでサラリーマン経験しかお持ちでなければ、初動段階においいて心が折れてしまうかもしれないが、うまく立ち回ると、次第に収入を引き上げることはできる。
また、実際に月額5万円から10万円程度を稼ぎ出すのに、そんなに高い敷居はない。
しかも、仕事の多くは場所を選ばない。つまり、自宅の作業で完結することができるものが多い。よって、大都市圏にいる必要はないので、取り組んでみる価値はあろうかと思いう。
次のギグ・エコノミーは、単発や短期の仕事を指す言葉だが、今後はウェブを介して企業や個人が細切れ的な仕事を発注したり、個人がスマホでそれを受けたりと行ったサービスが拡大しそうな雰囲気がある。
現状は、体力勝負の仕事が主だが、今後は数多くの仕事が発生していくはずなので、関連する情報にアンテナを張られておくとよいかもしれない。
■これまでスキルがあるという方の場合
これをお読みの方の場合、これまでそれぞれにお仕事を持たれてきているはずである。
その仕事で得た経験によっては、シニア世代においても仕事を得ることが可能となる場合はあろうかと思う。
たとえば各種技能の技術スキルや生産管理や品質管理業務に携われていたり、農業従事者として活躍されたという方であれば、海外駐在採用や海外採用の仕事は意外にあるものである。採用する国は、主に途上国となるが、そんな紐付けをするエージェントやサービスなども探せば見つけることができることだろう。
また、システムエンジニアとして活躍された方であれば、首都圏に限定されるものの、シニアであっても案件を取得することができる。
この手の仕事を斡旋するエージェント企業は、昨今では数多くあるので、これらに登録しておけば、少なくともサラリーマンの平均給与程度の仕事を得ることは出来るはずである。
実は私は、この手の仕事をしていたこともあり、現在おいても仕事の依頼を受けることがある。今更東京でヘビーに働く気はないので丁重にお断りしているし、60代になってもお誘いがあるかはわからないが、少なくとも59歳の時点においては、ときたまダイレクトにそんな話は舞い込んでいる。
現役時代において、特化したスキルをお持ちであるのなら、それを活用できる道を模索してみる価値はあろうかと思う。
■第二の人生はより自由に仕事を楽しもう
今回は第二の人生における仕事について、その一端をご紹介した。あくまでもさらっとなので、探せば選択肢はまだまだ増えるはずである。
シニアにおいて、身軽になってコストの掛からない生活を実現することができれば、年金が少なかったとしてもプラスαの収入を得ることで、生活を維持することができる。
また、まとまった年金額がありながらも、収入を在職老齢年金の範囲内で得ることを考えれば、それを貯蓄へと回すことも可能となるはずである。
ポイントは、自らの生活コストをどの程度まで低減できるかといった側面にもありそうだが、多額な収入を得続ける必要がなく、たとえば5万円から10万円程度を稼ぎ出すことができれば十分というのであれば、選択肢はさらに広げることができるはずである。シニア世代とて、しっかりとリサーチすれば、決して悲観すべき状況ではないのだ。
「なぁんだ。結構ありそうじゃん」と、ソファーでゴロゴロとしていて、妻からの冷たい視線ビームを受けたりしているわけである。