50代からの貧乏ながら気楽な人生

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今後、正社員という立ち位置が限りなく減少する理由


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これまでも何度か書いてきているが、今後は正社員という立ち位置が限りなく減少していくと考えている。というより、現状も正社員の立ち位置は減少は続いているといって良い。バブル経済以前において、高校や大学を出て就職をする場合、その多くは正社員としてであったはずである。

しかし現在では、まともに大学を出ても正社員としての立ち位置を得られないまま社会にでなければならない若者も多い。また、非正規労働者の割合が、労働人口の4割を超えてきていることを見ても、正社員のイスが減少傾向にあることがわかる。

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■企業に有利に動いた労働派遣法の緩和

正社員という立ち位置は、経営サイドから見た場合、少々やっかいなものである。企業としては、低賃金で優秀な人材を確保できれば良いわけだが、そんなことを言っていては優秀な人材は採れない。そこで、しっかりとした待遇や安定した立ち位置を用意する必要がある。しかし採用してみないと、実際に優秀であるか否かが見えない部分もある。

中には何人分もの仕事をこなすとともに、部下をしっかりと束ねて会社の望むように統率したり教育してくれる優れた人材もいることだろう。しかしこの割合は多くて2割程度のものだろう。

あとは可もなく不可もない者や、手にした立ち位置の中だけで生きたいと望む者、箸にも棒にもかからない者、周囲の人間を取り込んでは腐っていく者などが目立つ。経営サイドとしてはこれらの人材の多くを切りたいが、正社員という立ち位置の場合、容易には首を切ることができない。

しかし労働派遣法の緩和は、この問題を解消するのに一役買うことになった。これまで一部の職種に限られていた派遣社員の領域が拡大されたことから、企業は多くの部署の業務を、派遣社員など非正規労働者に充てることができるようになったわけだ。
そこで企業は、核となる重要なセクションを優秀な正社員で固める一方で、その他の部署については管理者のみを正社員として、あとは非正規労働者で回るように切り替えていくことになった。

非正規労働者の場合、問題のある人材は無条件で切ることが可能となる。また、人件費も正社員に比べて低く抑えることができるので好都合である。よって契約社員や派遣社員のニーズは急速に高まることになり、正社員のイスは、主要業務を除き減少傾向を辿ることになった。

■コンピュータやインターネットによる業務の自動化

正社員の立ち位置が減少する要因は、労働派遣法の緩和以外にもある。それはインターネットの普及と、コンピュータやソフトウェアの高度化だ。民間企業がコンピュータを使い始めるのは1970年代あたりからだが、1980年代に入って安価で購入できるPCが登場しはじめたことから、企業の各部署での利用が急速に進むことになった。コンピュータが相互にやりとりをして処理を行うことができるようになったことから、企業全体の統合システムが、これまで多くの人材を必要とした業務の多くを自動化することに成功することになる。また、インターネットが民間に移管されることになり、企業は本社支社間業務の自動化にも成功する。

インターネットを個人が利用できるようになると、インターネットを介した商取引も盛んになった。さらにはサーバを手軽に活用できるようになったので、これまで営業やコールセンターに依存していた業務をも、その多くを自動化することが可能となった。

最近では、ネット取引の多くが自動化されている。これは消費者の立ち位置で商取引を見ても明らかである。現在、ネットで物を購入する場合、注文から商品を手にするまでの課程において人との会話を必要としない。つまり消費者はコンピュータ相手に注文をしている。現状でも商品のピッキングや梱包に人手は必要となるものの、それ以外の部分の多くは、サーバアプリケーションがデータベースとやり取りをして、ほぼ自動で行うことができる。

つまり、商取引の多くの部分において、人手は必要ないわけであり、どうしても人手が必要となる部分においては、非正規労働者を使えば良いことになる。これらを見ただけでも、正社員のイスが限りなく減少していることをご理解いただけることだろう。

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■人材不足なのに正社員雇用枠の拡大は鈍い

現在、首都圏を中心として、かなりの人材不足が生じているという。この流れにのって、正社員雇用が再びかつてのように拡大するだろうと考えている方もいらっしゃることだろう。しかしどうやらそのようにはならない。

確かに地域や業態によっては、かなりの人材不足となっているようだ。しかし、企業が欲しているのは、むしろ末端労働部分といえる。というのも、末端労働部分については、コンピュータによる自動化が難しいのだ。

企業は末端労働部分に高い人件費を払おうとはしない。よってこの部分は非正規労働者を充てることになる。このため、人材不足が拡大しても、それはそのまま正社員採用枠の拡大にはつながらない。

人材不足部分を非正規労働者で充当していることから、人材不足が生じたとしても、かつてのバブル期の人材不足のように給与水準が上がることはない。このため、人材不足が深刻化しているのにもかかわらず、平均給与水準に上昇傾向の兆しがないといった現象が起きる。

今後は人工知能の活用分野も拡大することになるので、企業は核となる部分以外で正社員の採用をすることはないだろう。よって、如何に人材不足となろうとも、正社員枠は広がることがなく、企業は少数の正社員労働者を核として、あとはコンピュータや人工知能による自動化、そして自動化が難しい部分については、非正規労働者を充てることで利益を確保することになるはずである。

最近になって、人材不足を解消しようとする企業の中には面白い展開を見せる所も増え始めた。それは、正社員雇用として若者よりもむしろミドル世代をターゲットにしようとする企業である。今後の人工知能の進化を見込んでいるのかはわからないが、あと10年から20年程度働いてくれる経験豊かな人材を確保しようとする動きである。

これであれば、リスクを長期に渡って背負うことなく、安定して働いてくれる人材を確保することができる。ミドル世代が定年を迎える頃には、業務の自動化がさらに進んでいる。人材が不要になる頃には、ミドル層は定年を迎えて会社を去る。よって、若者を採用するよりも好都合なのかもしれない。ただしこの動きは限定的なものとなるはずなので、ミドルの転職事情が大幅に改善されることはないとも思われる。

■今後も厳しい状況が続く正社員

ということで、正社員の立ち位置は今後も厳しい状況が続く。また、しびれを切らした資本家による団体が政治を動かせば、日本独自の正社員という立ち位置自体が、急速に排除されていくかもしれない。

よってもし今後、正社員として生涯を安定して過ごしたいとお考えであるならば、企業の核の部分に入り込むしかない。このためには、10代の頃から学歴に磨きをかけておく必要があるだろうし、現在既に正社員であるならば、売上の拡大や部下の育成などに貢献するとともに、より経営サイドに近い部分に食い込んでおく必要があろうかと思う。

現在の立ち位置を保持しようと動くだけで、生涯を正社員として生きることのできる時代は終焉を迎えているといえる。非正規労働者の日々は過酷なものだが、正社員の立ち位置もまた、今後はさらに過酷なものとなりそうである。そしてそんな過酷な世の中に、私たちは今、生きている。

 




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