50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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「健康で文化的な最低限度の生活」を維持することのできる最低賃金を計算してみた


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■国民の労働義務と国の保障義務

国民の多くは、労働をすることで社会貢献を果たし、生き甲斐を見出し、そして生活を維持している。これは社会的にとても有効な事と言える。私たちはたった一人では生きていくことができない。私たちが用いる製品やサービスのすべては、すべて人の手によって構築されたものであり、つまりは労働が社会を支えているからだ。

このため、労働は国民の義務でもあり、これは憲法第二十七条において「すべての国民は、労働の権利を有し、義務を負う」と定められている。つまり、国民である以上は労働の義務が生じており、働かなければならない。

さて、国民に労働の義務を課している国は、当然の事、労働者に対しての生活を保障しなければならない。よって憲法ではこのことについても定められている。これが憲法第二十五条である。

第二十五条においては「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とある。また、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」として、国側の義務にも触れている。

さて、ところがこの定めには少々アバウトな個所がある。それは国民が営む権利として有する「健康で文化的な最低限度の生活」が、どの程度の生活かという点には触れられていない。この部分は法廷などでよく問題となる部分でもある。定められていないという事は、司法の判断にゆだねるしかないからである。ちなみに、年金の減額を憲法違反としての法廷闘争があるが、この際に問題になるのは、第二十五条の捉え方ということになる。

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■「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するための年間コストとは

では、国は「健康で文化的な最低限度の生活」について、その額を全く示していないかというとそうでもない。これは、生活保護費を確認してみればよい。生活保護費は地方自治体や世帯構成によっても異なるが、おおよその算定基準は開示されている。

生活保護制度とは、資産や能力などすべてを活用しても、なお生活に困窮する国民に対して、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長する制度である。また、この額を基準として、労働しても尚且つこの額に達しない部分について保護を行うものなので、生活保護費を、国が認識する「健康で文化的な最低限度の生活」と考えてよいだろう。

ちなみに、夫婦二人で生活をしてるミドル世代で計算をしてみると、おおよそ11万円が生活扶助基準額であり、4万5千円程度が住宅扶助基準額としてこれに加わる。地方自治体によっても異なるが、おおよそ15万円がミドルが二人で「健康で文化的な最低限度の生活」を実現するための金額として捉えているようである。

この額が低いか高いかは、個々のライフスタイルによっても認識が異なることだろう。しかし実は、この額では生活が成り立たないことについて国は自ら唱っている。というのも、生活保護には、住民税、所得税、年金保険料、健康保険料、NHK受信料、水道基本料金などの免除が認められており、よってこの額は「健康で文化的な最低限度の生活」のコストには含まれない。

つまり、自ら働くことで「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するためには、15万円では足りず、おおよそ19万円の収入が必要となる。年収でおよそ230万円が最低限必要という事になるわけである。

■現状の最低賃金は「健康で文化的な最低限度の生活」維持コストの69%

次にこの230万円から、時給を計算してみることにしよう。おおよその金額としては、1年12カ月で1ヵ月30日、1日8時間として計算してよいように思うかもしれない。しかしこれでは実質230万円を得ることはできなくなる。

というのも、非正規労働者の場合、会社が休日の際には働きたくても働くことはできない。また、働くことができなければ、それはそのまま無給という事になる。大手企業に派遣されている場合、長期休暇を喜ぶのは月給制の正社員のみであり、多くの非正規労働者は、長期休暇を喜べない。その月の給与が大幅に減ってしまうからである。

よって、年収をまず実質稼働日数で割ることが必要となる。実質の稼働日数は、土日祝祭日に加えて、年末年始やお盆休みなどを365日から引くことで算出できる。ちなみに大手企業の年間休日数は125日程度なので、365日から125日を引いた240日が年間の稼働日数となる。年間240日、1日8時間労働することで230万円以上を得なければならない。1日の賃金は9600円程度だろうか。また、これを8時間で割ると1200円という値が算出される。

つまり時給1200円が、国が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するために必要な最低賃金となる。

さてさて、では国が定める最低賃金とは、現在いくらだろうか。ちなみに現在における最低賃金の全国加重平均額は時給823円である。つまり「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するための時給の69%しか保障されていない。実に31%もの乖離が生じている。

昨今、生活困窮者が拡大を続けている。非正規労働者の多くが、まともな生活を維持することができない。そんな方々の時給が、もし仮に1200円を下回っているのであれば、困窮は当然の事なのだ。また、働いてなお生活保護生活者の受給額にさえ届かない人々がいることの原因もこれである。

よって国は、時給1200円を下回る労働者の生活を保障しなければならない。年収230万円に満たない労働者や高齢者については、その差額を無条件に保障する必要がある。もしくは、年収230万円を下回る雇用を禁止する必要がある。

また、その一方で、国民は「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するために労働をしなければならない。

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」わけであり、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」からであり、「すべての国民は、労働の権利を有し、義務を負う」からである。

 




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