50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

Sponsored Link

【第2話】富める者はますます富み貧しいものはますます貧しくなる


Sponsored Link

■格差社会が社会に及ぼす影響とは

現状抱える格差社会を是正するためには、私たちは戦争や大恐慌を待つしかないのだろうか。確かに戦争や大恐慌のリスクは、常につきまとう。しかしこれらは大きな痛みを経験する必要がある。また、現在では戦争のあり方も、通貨のあり方も全く異なる。ひとたび戦争になれば、核が持ち出されるリスクもある。

内戦は各所で発生しているものの、核戦争が引き起こされる可能性は低いし、逆にそんな事態になれば、リセットなどといった生易しいものでは済まない。また、大きな戦争になったとしても、現在では自国通貨を別の通貨やモノに変えて保持することもできることだろう。よって過去にそうだったように、大恐慌や戦争が、すべてをリセットしないかもしれない。

となるならば、このまま格差が広がるしかない。今後さらに格差が広がれば、内的矛盾がさらに大きなものとなり、結果として崩壊するしか道はないのかもしれない。

「資本主義社会の崩壊?あり得ない」

とそう考えられるだろうか。しかし実は、そんな兆候はそこかしこで確認することができるまでになっている。

格差社会の特徴として、大きな、それでいて押しつぶされたようなピラミッド構造が出来上がるものだ。ごく少数のお金持ちを頂点とするものの、あとは貧困にあえぐ者たちが大多数となる。するとこの大多数の人々に、多大な不満が蓄積し始める。

富める者は、結果的に数多くの労働者を使わなければ利潤を追求することができないが、この原動力たる労働階級のすべてが、不満を蓄積し始める。そしてある時、その不満は何らかの形で爆発する。

ミクロ的な実例でいえば、ワンオペが問題になった牛丼チェーンの従業員が次々と退職したことで、経営をも揺るがす状況となった。また、これ以外にもブラックのレッテルを貼られた居酒屋チェーンやアパレル系企業が、大きく売り上げを落とすことにもなった。この傾向は日本の至る所で発生している。また、そんな現状において、パナマ文書の流出を機に、大きな流れが世界規模で発生しようとしている。

この流れを国家規模で沈静化しようとしているのは、現在、中国、ロシア、そして我が国だけである。ダムの決壊は、局所的には、既に始まっているかもしれないのだ。

f:id:freedomlife:20160421175423j:plain

■格差を是正することができる施策とは

いかがだろうか。資本主義が崩壊してしまっては、せっかく築いた膨大な資産を、資産家は失うことになるかもしれない。これは資産家からすれば、受け入れがたいことだろう。

では、戦争や大恐慌を経験せず、しかも現在の資本主義社会を継続するためには、どのような改革が必要となるだろうか。

実はこれ、世界規模で歩調をとるとともに、一部の資産家の協力さえあれば、十分に回避することが可能となる。しかもすべての資産家にご協力を願わなくても良い。世界の資産家の、ほんの1%程度の方々にご協力いただき、資産の10%程度を放出するとともに、以降、一定資産を超える部分について、納税という形で納めてていただければ、資本主義社会は十分に存続の道を見出すことができるかもしれないのだ。

また、これでは公平性に欠けるという場合には、タックスヘイブンに保有する資産の10%程度を徴収する形でも構わない。これだけでも実に200兆円が市場に流れる。また、これだけのお金があれば、世界の貧困層の多くは生活ができない状況からは脱することができる。

市場に流れたお金は、様々な形にかわり、貧困層へと還元されることだろう。すると、消費も上向き、企業収益を拡大方向へ移行することができるはずである。

5万円の持ち金を失った場合、貧困者の中には、それだけで死を覚悟する方もいらっしゃることだろう。一方で、資産家の生活はなんら変わることはない。つまり、現状を維持しつつ、資本主義社会を存続することができる。

とはいえ、膨大な額を、資産の一部とはいえ、自ら進んで放出する人間などいない。しかしもし、資本主義社会が本当に終焉を迎え、たとえば築き上げた資産のほとんどを失うリスクが見え始める状況下におかれたなら、その時には、彼らも渋々それを受けるかもしれない。

■資本主義社会の向こう側に垣間見る世界

最後にもう一つの未来についても、見ていくことにしよう。それは、マルクスが資本論に記した「資本主義社会が内部崩壊をした後に到来する共産主義社会」という部分だ。
延命策などが機能せず、結果として資本主義社会が内部崩壊してしまう確率は、決して低いものではないし、先にも触れたように、ミクロ的な部分ではそんな兆候すら見え隠れし始めている。

ところで、以前政府が打ち出してはそれを否定したものにトリクルダウン構想があった。この構想は、資本主義社会の成長期において機能する。しかし成熟期においては、まったく意味をなさないことについて、現在では国民の多くが実感していることだろう。

格差がさらに拡大し、中流層が希薄になってしまうと、一旦上流に吸い上がったお金は、下に流れることはない。これは、物質と重力の関係によく似ている。ブラックホールが周囲のすべてを飲み込んでしまうのと同様に、巨大な資本は、周囲の資本を取り込むのみで、決して吐き出すことはない。

格差や矛盾が内部崩壊を迎えるまで続くことは、あり得ない話ではない。しかしだからと、共産主義社会の到来は、いくら何でも飛躍しすぎていると、自分自身そう考えていた。

ところが、そんな兆候ともとれる構想が各所で語られる機会が増えた。ベーシックインカムがそれである。

ベーシックインカム(basic income)とは、最低限所得保障のことであり、政府がすべての国民に対し、最低限の生活を送るのに必要とされる額を無条件で定期的に支給する構想である。ちなみにベーシックインカムは、共産主義ではなく新自由主義としての新たな思想や概念において提唱される。

今後もし、ベーシックインカムについて、さらに頻繁に語られるようになったなら、それは、資本主義社会に代わる新たな政治思想を取り入れる時期に差し掛かっている証なのかもしれない。


■ブログランキングの以下のカテゴリに参加中です。応援して下さいね。


 さてさて、今日の本ブログのランキングは・・・

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ 50代オヤジへにほんブログ村