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50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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値上げをした古本チェーンが赤字決算


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■古本チェーン大手の赤字決算

全国に古本チェーン展開を図る大手が赤字転落したという。思えばこれまで頻繁に使っていた店だったが、最近は足が遠のいていた。というのも、最も魅力的だった100円均一本がほとんど200円に値上げされてしまったからだ。

この動きは東京から始まったように思う。東京ではかなり前から100円均一本が200円になり始めたようだったが、地方都市では、まだ100円が主流であり、田舎に住む俺にとって実害はなかった。

しかしである。

この波は徐々に地方都市まで波及した。また、値上げの仕方が少々いただけなかった。これまで100円で売られていた本に、そのまま200円の値札がつき始めたからだ。単価100円とはいえ、それがいきなり倍に値上げされるわけだから、これは貧乏人としては、とんでもない衝撃である。

これまで10冊は購入できたお金で、5冊しか買えなくなるわけだ。当然のこと、本選びには慎重にならざるを得ない。また、いちいち値段を確認する必要があるため、本選びに集中できないのだ。結果として、購入するのは2冊程度となった。店内にいる時間も短くなった。そして、100円コーナーの中で本を探すことが楽しみだった俺は、次第にこの店に足を運ぶことはなくなった。

赤字に転落した要因として、ネットの記事で中古家電への狙いが外れた事が指摘されていたが、案外100円から200円への値上げが大きく影響しているように思う。古本という集客力の高い商材を扱う強みを活かしての中古家電市場のシェア拡大戦略であったはずなのに、肝心の集客力を落とす意味が理解できない。

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■店舗経営に不可欠な集客力

店舗経営の場合、集客力のあるなしは、そのまま店舗の存続に係る。よって店舗は常に何らかの魅力を提供することを考えてはそれを発信し続ける。たとえばスーパーの場合、タイムセールで卵1パック10円などにして、集客を図ろうとする。

来店した客の多くは、当然卵が目当てなわけだが、来店したついでに様々なものを買う。店はこの部分で利益を確保する。結果として店は賑わい、そして売上も上がる。つまり、客に何らかのメリットを提示しつつ、店も利益を上げるという方法を取る。

ところが、利益率のみを追求してしまうと、店自体の魅力がなくなる。すると客の足は遠のいてしまうことから売上全体が低下する。つまり、一方的な利益追求はうまく行かないわけだ。

この古本チェーンの場合、100円本が200円となったかわりに、どのようなメリットを提起してきただろうか。たったひとつの小さな魅力だが、それを捨てることによる客離れは、次第に他の客をも巻き込んでいく。つまり、100円本目当ての客が遠のくことで、それ以外の目的の客足も減少してしまうわけだ。

チェーン展開を図る店舗の場合、この動きは、全店舗で発生し始める。全国の店舗での売上減少が生じ始めることになるわけだが、その影響は多大なものとなるはずだ。このチェーンの場合、全国に900以上の店舗がある。そのすべてにおいて同様の客離れが発生し始めるとすると、これを食い止めるためには、かなり大掛かりな改革が必要となるに違いないし、もしかすると、既に食い止めることはできない状況かもしれない。

■大手チェーンが顧客を引き寄せていた魅力

もともとこのチェーンの魅力とは何だったか。綺麗な広い店内にクリーニングされた書籍、品揃えも豊富であり、これまでの街の古本屋のイメージを崩すことで、新たな市場を作り上げた。

古本の利益率は非常に高い。しかし売れない場合は廃棄処分となるので、この部分にリスクも存在する。利益率とロス率の凌ぎ合いといったところだろうか。

そこでこのチェーンでは、買い取った書籍をクリーニングした上で定価の半値程度で販売をし、一定期間売れない書籍や、出版から10年以上経過した書籍については、すべて100円コーナーで販売することにした。もともと買取価格が低いので、100円であっても流れていけばロス率は低減する。また、100円目当てでやってくる客は、半値程度の書籍にも手を伸ばすし、ゲームを購入する場合もある。

つまり、このチェーンにおける100円コーナーとは、ロス率低減に加えて、集客力アップの効果も担っていたわけであり、大きな魅力のひとつだったはずなのだ。

「200円でも安いと思う客は買うだろう」

そう思われるだろうか。いやいや、もともと100円を魅力とした客は、200円で同じ店からは買わない。よって、ロス率は上昇傾向を辿るはずだ。

加えて100円の信用が、この段階で失墜している。顧客は好みの店についてある種の信頼感を持っているものだ。そしてこの信頼感が、生涯売上という大きな利益を店舗にもたらしている。顧客と店舗は、来店において契約を結んでいるわけではない。よって信頼感が失われてしまえば、その店へ足を運ぶこともなくなる。しかも、落ちた信用を、再び築きあげるのは難しいものなので、一度客離れの状態を招いてしまうと、それを復活させるのは困難を極める。

■同業他社にとっては追い風となるこのタイミング

今まで飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けた企業や業態。これに陰りが見え始めるタイミングは、同業他社にとっては追い風となる。これまでこのチェーンが引き寄せていた多くの客を、自己の店舗へと招き入れることができるからだ。
たとえば、これまで煮え湯を飲まされてきた街の古本屋は、このタイミングで、組合全体でタッグを組んで「100円均一コーナー増設」のアピールをされてみてはいかがだろうか。

また、ゲームなどと同時に古書を扱うチェーンも同様に、100円均一コーナーをアピールすることで、来店客の絶対数を引き上げることに成功するかもしれない。少なくとも、貧乏人の俺は、足しげく通うことだろう。

東京など、一部では人材不足の現象が見られるものの、地方ではいまだ就職事情は厳しい。また、まともな職を得ている人であっても、実質所得は右肩下がりの状態が続いている。貧乏人が増えている状況なのだ。当然のこと、消費税の引き上げも難しい状況となり、選挙における票集めに、消費税引き上げ延期や撤廃を用いざるを得ない状況でもある。

つまり、デフレ経済からの脱却は成功していないのだ。このような状況下において、末端を切り捨てるかのような値上げは、そのまま集客力の低下を引き起こす。「100円を笑う者、100円に泣く」わけであり、値上げをした古本チェーンが赤字決算に陥るのは、むしろ当然のことと言える。

 




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