50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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公務員の給与水準を下げない日本に未来はない


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■安定した高い給与を得ることができる公務員

地方公務員の知人が今年度で定年退職する。「年々退職金も減らされちゃってさぁ。老後も大変だよ」と嘆いている。共済年金が厚生年金と統合されると同時に職域加算が廃止された影響もあるのだろう。親しい人であることもあり、個人的にはかわいそうに思うが、それでも役職にあった彼は、周囲の民間に勤める人間に比べて安定的な生活を送ってきたし、そもそも豊かだった。

日本の公務員の給与水準は、世界水準と比較してもとても高いものとなっている。一般的なサラリーマンの平均給与が年収400万円そこそこの水準であるのに対して、国家公務員の平均年収は、手当も含めた平均で650万円を超える。また、地方公務員に至っては、実に年収700万円を超える水準となってきている。

公務員は、国や地方自治体の業務を担うことから、巧みに政治家を動かすことができれば、司法や立法を制御することさえできる。このため、自らの収入を上げやすい立ち位置にいるといえるだろう。しかし、このまま公務員の給与水準が保たれた場合、日本に未来はない。

ちなみに俺は、公務員の人々を個々に批判しているわけではない。むしろこんな給与水準であれば、現在の10代の若者は、皆公務員になってしまったほうが良いのではと思えたりもする。ただし、現状の給与水準の維持は、結果的に今後の日本を歪ませることにつながってしまう。そんなリスクを危惧しているのだ。

ではなぜ、公務員の給与水準が現状のままだと、日本は危ないのだろうか。これについては、改めて説明するまでもなく皆さんご存知のはずである。それは、公務員の給与が、どこから支払われているかという一点に集約される。

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■経費勘定としての公務員給与

公務員は国家公務員と地方公務員に分類される。国家公務員は国を司るために、また、地方公務員は各地方自治体を司るために不可欠な要員である。よって彼らがいなければ行政は成り立たないので、公務員の存在はどうしても必要なものといえるだろう。

しかし問題なのは、公務員の仕事は、国や地方自治体を下支えはするものの、その人件費は、あくまでも経費としての勘定であるという点だ。公務員の給与たる経費は、公務員が生み出す生産的売上によって相殺されることはない。

企業には様々な部署が存在し、それぞれ特化した業務をこなしている。それぞれが重要な部署であることに代わりはないが、それでも、実際にお金を稼ぐ部署と、稼ぐための下支えをするための部署が存在する。

仮に総務部が重要だからと、この部署のみの給与を引き上げたとしたらどうだろうか。また、総務部へ転属すれば生活が豊かになるからと、社員の多くが、営業部や開発部、工場などから総務部へと異動したとすると、企業はどうなるだろうか。一部の非生産部門の人件費コスト、ならびに人員比率を肥大化させてしまった場合、売上や利益は確実に縮小し、引いては倒産を余儀なくされてしまうに違いない。

冗談のような流れが、国レベルで発生している。経費がかさみ続ける一方で、最前線でお金を稼ぐ部分の実質所得が下がり続け、さらには税額が重くのしかかるとなれば、その後の国がどうなるかは火を見るよりも明らかだ。

■税金や公務員給与が上がるとGDPが増える?

このような単純な構図が見えにくいのは、日本の国民総生産所得の計算方法にも原因があるといえる。現状では、税金や公務員の給与を引き上げると、それだけで国民総生産所得が増えるといった計算式になっている。ご存知だっただろうか。

確かに、公務員とて生活があるので、給与が上がれば支出も増えることになる。よって資本経済における資金循環に一役買うことになることは確かである。しかし、もともと公務員の給与は、民間が稼いだお金の中から賄われる経費だ。お金を稼ぎ出す部署を超えるような給与水準を保ち続けての健全な経営は難しい。

「公務員とて、真面目に働いている。まともな給与をもらう権利くらいはあるだろう」

と、公務員の方々はそう思われるだろう。確かにしっかりと働いておられるのだから、それ相応の給与を望むことは当然といえる。しかし、公務員の給与水準を、大手企業のそれに準じるのはどうなんだろう。しかも、様々な手当がそれに加わる。

消費税増税を始めとして、海外の例を挙げては、日本もそれにならう必要があると各種政策を提起するものの、公務員給与については、なんら海外の例を見習わないのはなぜなんだろうか。

「越後屋、お主も悪よのう」
「お代官様ほどでは・・・」

このようなお話は、せめて時代劇の中だけにしていただきたいと、底辺にへばり付いている俺は、そう思ったりしている。

 

 


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