50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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一億層活躍社会に向けた好循環とは


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■一億層活躍社会の実現

前回、人口の減少がそのまま個々の生活水準の低下に繋がらないことについて書いた。しかし政府は個々のクオリティよりも、量的な必要性を考えているようで、最近では「一億総活躍社会」といった構想を打ち出している。この構想の目的は、「希望出生率1.8の実現」と「介護離職ゼロ」にあるんだそうで、確かに少子問題と高齢化問題に取り組もうという想いが見て取れる。

ところが、詳細に知ろうとすればするほど、その核たる部分がぼけてしまう。たとえば、首相官邸の「一億層活躍社会の実現」というページを見てみると、そこには以下の様な文言を見ることができる。

「若者も高齢者も、女性も男性も、難病や生涯のある方々も、一度失敗を経験した人も、国民一人ひとりが、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会を創る」

いかがだろうか。まさにユートピアの創生である。

しかしこの創生プロセスとなると、どうなんだろうという部分も散見される。そもそも、新第二の矢である「夢をつむぐ子育て支援」と新第三の矢である「安心につながる社会保障」が、新第一の矢である「希望を生み出す強い経済」へと繋がるプロセスが見えてこない。また、たったこれだけで「包摂と多様性がもたらす持続的な成長」といった好循環を生み出す理由が見えない。さらには、この好循環が「一億総活躍社会」の創生へと繋がるといわれても、理解に苦しむばかりである。

「ユートピアの実現」には「ユートピアへ向けた支援」と「ユートピアにつながる保障」が必要であり、これにより「希望を生み出すユートピア」が創出される。そしてこの好循環こそが「ユートピアの実現」なのだ・・・。これでは、水が流れ続ける永久機関である。論理的には絶対に起こりえない騙し絵なのだ。

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■政権が抱える苦悩

とはいえ、現在の政権が抱える苦悩も良くわかる。現在の日本は、実質的にデフレ構造から脱していない。また、数値的に見てリセッションの状況下にあるといえる。さらには、今後の少子高齢化は避けられない状況である。

そこで経済発展と少子高齢化についての問題を解決する必要性に迫られる。また、国民の支持を得る必要があることから、今後のビジョンを明確にし、国民を納得させる必要もあることだろう。

これには、国民が納得し、多くの支持を得られる政策の立案が必要となるが、最も簡単なのは、現在日本が抱えている問題を払拭する取り組みを提示することである。つまり、経済発展と少子高齢化問題の解決である。この双方が改善傾向へと向かえば、支持率は上昇するはずだ。そこで、経済発展と少子高齢化問題対策をつなぎ合わせ、これを循環させる構想はどうだろうということになる。「双方の問題が改善されるのだから万々歳」という流れだ。

ところがだ。

実は経済発展と少子高齢化問題は、循環でつなげることができない。というのも、改善のための時間軸が異なる問題だからだ。確かに少子高齢化問題を払拭することができれば、それはGNPを押し上げることになるかもしれない。所得が上向けば、税収も増すことだろうし市場は潤うわけだから、経済の活性化へとつながりそうである。しかし、それが実現するのはいつ?少子高齢化問題が解決することで、日本経済が上向くのは、早くても30年後のことである。おわかりだろうか。

少子高齢化対策は急務であり、すぐにでも実施すべき政策である。しかしこれと現在の日本が抱えるリセッション問題の解決とは、循環で結ぶことはできない。全く異なるレイヤにおける個々の政策が必要なのだ。

また、問題には発生要因がある。問題を払拭しようとするよりも、むしろ問題が発生する原因自体を改善する必要がある。選挙事情もあるだろうが、この点をもう少し政策に盛り込まれると、より効果的なものとなるはずである。

ところで、国会中継などの「本件については、さらに加速させるべく・・・」という言葉も気になって仕方ない。毎度加速をしているわけだから、すでに光速の域を超えているんじゃないかという案件が数多くあるのだが、それらは、銀河の彼方にはなく、いまだ目前の問題としてそこに鎮座していたりする。光速で「一億層活躍社会の実現」を進めていくと、果たしでどうなってしまうのかがとても不安な今日この頃である。

頑張れ自民党!頑張れニッポン!!

「結局、日本の理想社会を築くためには、どうすればいいわけよ?」

そうだった。これについて書くはずだったのだ。ということで次回こそは、そんな話題に触れていきたいと思う。

・・・つづく

 


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