地方都市にありがちな人員採用時の問題
■地方都市にありがちな壁
地方都市に住んでいると、東京ではあまり意識しなくて良い障害に遭遇することがある。俺が仕事を探していることは各所でも書いてきたが、企業の求人に応募する際、俺のような人間は、ちょっとした壁を感じることがあるのだ。今回はその壁についてちょっとふれてみようと思う。
ただしこの壁は、高学歴でしかも特化した輝かしいキャリアを持っている方には、あまり関係ないことかもしれない。ってまあ、高学歴でかつ輝かしいキャリアを持っている方であれば、そもそも転職における苦労の度合いも、俺とはずいぶん違うのかもしれないが。
さて、それではそもそもこの壁とはなんだろうか。
たとえば、俺が地方都市において、ある会社の求人情報に対して応募をしたとしよう。ほとんどの場合は、それでも書類選考で落とされてしまうわけだが、たまたま面接にまでこぎ着けて、しかも採用担当者も、「是非うちに」と盛り上がってくれたとする。
「いいことじゃん」
そう。いいことなんだが、採用に至るまでの行程は、地方都市においては、まだ道半ばであることが少なくないのだ。
写真はイメージです。もっと田舎に住んでます。
■人材採用の決定権の所在が問題となるケース
「企業側が採用したいと言っているのに、まだ何か問題でも?」
問題ではないのだが、実は採用担当者の意志のみでは、採用が決まらない場合が少なくないのだ。そしてこの部分で、俺の場合、ほとんどは落とされてしまう。
それは、その企業が全国規模の大手である場合だ。
地方都市の場合、その一支店のみの判断で採用が決定できない場合が少なくない。たとえば東京に本社がある場合、まず支店でOKが出たのなら、それを東京本社の人事に対して、履歴書や支店の判断材料などを含めて送信し、最終決定を本社に仰ぐ所が少なくないのだ。つまり支社には採用の決定権すら与えられていないケースである。そしてこれが大きな壁となる。
なぜなら、俺は本社の人間には会っていない。ということは、彼らの判断材料とは、書類のみとなる。ところが俺には学歴もないし、対したスキルもない。これらがなくても、人と人の関わりにおいて、採用を決定してくれる場合は少なくないのだが、本社となれば判断材料はあくまでも書類のみである。そしてこの場合、「こりゃだめだよ。不採用!」との決断が下されることが少なくないわけであり、よってこれが俺にとっての壁となる。
仮に俺が東京で就職活動をしており、直接決定権を持っている人間に会うことができているのなら、OKはそのまま採用となるわけであり、意外にスムースに事が運ぶ。ところが地方都市の場合は、これまでの説明のように、書類が本部に上がるので、せっかく支社で採用したいと考えても、その意見がそのまま通るとは限らないというわけである。
先にも申し上げたが、ここで書類事態に高い学歴や輝くスキルが並べば、それはそれで本社でも通過する可能性は高まるだろう。本部の人事が書類を見て、しかも支社がほしがっているというのであれば、それを否定する理由がどこにも存在しないからである。
おわかりだろうか?この相違。つまり底辺男は、常に脆弱であり、さまざまな要因を乗り越えていくことさえ難しいということになる。
「それなら、地元企業をあたればいいじゃん」
まったくその通りだ。
しかしここにも問題はある。地方都市は当然のこと市場規模も小さい。ということは、資金的に余裕があるわけではないので、そんな企業は、あえておっさんなどは取らない。このような複合的な要因もまた、俺が長いこと半プー太郎を続けている理由のひとつとなっている。今日もまた、底辺爆走中の55歳である。
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