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[第1話]労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律


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■労働派遣法が改正された

平成27年9月11日に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律」が成立した。ご存じだろうか。

「なんかそうらしいけど、俺、正社員だし関係ないね」

本当に?改正内容を読み込んでみると、案外正社員のあなたにもリスクが降りかかるかもしれないことが見て取れるが、大丈夫?また、現在派遣社員として働かれている方の場合、直接的な影響を受けそうなので、さらなる注意が必要となる。

そもそも、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律」の目的とは何なのだろうか。この答は、この法律に付けられた長い名前がしっかりと説明してくれている。つまり、「労働者派遣事業の適正な運営の確保」と「派遣労働者の保護等」が目的であるらしい。

「労働者派遣事業の適正な運営の確保」については、少々の力が感じられる一方で、「派遣労働者の保護等」という部分に、そもそも気が抜けたような感がある。また、別のページを見てみると「派遣労働者の一層の雇用の安定、保護等を図るため」とも書いてある。これらの「等」が気にかかる。なぜ「保護」ではないのだろう。

と、そう思いながらも、あれこれと改正内容について調べていくと、既存の大手労働者派遣事業の運営には追い風に機能する一方で、派遣労働者には、メリットがない改正であることが見え始める。

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■改正法の内容を理解しよう

ということで、次に改正法の内容を見ていくことにしよう。とはいえ、おバカな俺の書くことなので難しいことはない。ポテトチップスでも箸でつまんで食べながら読み進めて頂ければと思う。

まずは「派遣事業の健全化」である。特定労働者派遣事業は届出制、一般労働者派遣事業は許可制だったが、今後はすべて許可制となる。これまで届を出しさえすれば労働者派遣事業ができたのが、今後は許可が必要となるということだ。つまり、大手にはまったく影響はないが、弱小の派遣労働事業者が淘汰されたり、新たな新規参入は難しくなる、もしくは制約がかかるという意味で捉えていただいて良いだろう。

次は、「派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ」だ。

「雇用が安定してキャリアアップが図れるなら、いいことなんじゃないの?」
確かにその通りである。でもこれ、派遣会社やそのクライアントのさじ加減でどうにでもなるのだ。

詳細を見ると、まずは「派遣労働者に対する計画的な教育訓練や、希望者へのキャリア・コンサルティングを派遣元に義務付け」とある。しかも「派遣元の義務規定への違反に対しては、許可の取り消しも含め厳しく指導」とある。これを読むと、「いいかもしれない」的な印象を受けることだろう。しかしそうでもなさそうだ。

教育訓練やキャリアコンサルティングについては、大手では形式的にではあるものの、既に実施がなされている。また、受け入れ先企業においても、大手であれば既に対策が図られてきている。ということで、「弱小の派遣会社さん、大丈夫?」的な規定でしかない。

また、「派遣期間終了時の派遣労働者の雇用安定措置を派遣元に義務付ける」とある。ちなみに、3年経過時は義務、1年以上3年未満は努力義務となっている。

雇用安定措置としては、「派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るために必要な措置」と定められている。
最初の「派遣先への直接雇用の依頼」だが、これは派遣先における直接雇用の義務化ではない。つまり、依頼を義務化しているにすぎないので、書類一枚、電話一本で完了する。

「お世話になってます。派遣会社です」
「ああ、お世話様」
「あの、義務化されたので、仕方なく直接雇用のお電話です」
「大変だね。お宅も」
「そうなんです。じゃあ、そういうことなので失礼しまーす」

これで依頼義務を果たすことができる。

さて次の「新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るために必要な措置」だが、これがまともに機能すれば、派遣労働者にもメリットがある。しかしこれ、大手派遣会社はすでに実施している。

派遣会社は労働者を派遣して利益を上げる。つまり労働者が商品である。よって契約が切れれば、そしてその労働者が有能であれば営業は必ず動く。また、たとえばソフトウェ事業の派遣の場合、無期雇用を前提としている。つまり派遣労働者でも、そこそこ稼げている人間は現状通りとなる。

ところが、それ以外の多くの派遣労働者は、恩恵よりもリスクが増大することに気付かれるだろうか。

これまで労働者を使い捨て的に扱ってきた弱小派遣会社には、リスクが忍び寄る。新たな派遣先の提供や、無期雇用が今後義務付けられるからだ。よって、派遣労働者とて、安易に雇用することができなくなる可能性が高い。これは裏を返せば、仕事が見つかりにくくなるということだ。

派遣労働者の多くは、過酷な労働をしつつさまざまな派遣会社を訪れては、次の仕事を探す必要がある。すると行き着くのは弱小の派遣会社であるはずだ。大手の派遣会社には、多くの人材が集まるので、人選の余裕がある。よって、応募しても弾かれてしまう可能性が高い。しかし、弱小の派遣会社では、多くの人材を確保しにくいので、応募者を何とか商品として使おうとする。つまり、この部分が仕事探しにおける最後の砦となっている場合が少なくない。

ところが今後は、そんな受け皿さえ淘汰されることになるかもしれない。弱小の派遣会社に、新たな派遣先の提供、無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るために必要な措置などを行う資金的余力はないからだ。

さて、次からが核心である。

これは派遣労働者として働く方のみならず、現在正社員として働いている方にも読んでいただくべき内容となる。が、これについては、次にご紹介することにしよう。

・・・つづく。

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