ブログで世相を読むことはできるかについての考察
■ブログランキングサイトによって世相を読んでみる
俺が結構なブログマニアであることについては、各所で既にふれてきている。そこで今回は、ブログで世相を読むことはできるかについて考えてみたい。考えてみたいといいつつ、あえて結論を前に持ってくるならば、世相を読むことは十分に可能である。そしてこれには、ブログランキングサイトを用いればよい。
現在では、多くのブログランキングサイトが存在する。これらはカテゴリー別にブログのランキングがリアルタイムで表示されるので、カテゴリーの上位にランキングしているブログは、人気があるものと判断できる。
また、ブログランキングは通常、INやOUT情報によってランキングが決定される。INとはそのブログからブログランキングサイトにアクセスをした数であり、OUTとは、ブログランキングサイトからランキングしているブログへとアクセスした数を意味する。
■ブログランキングにはブログさえあれば参加できる
ブログランキングサイトには、ブログを持っている人間であれば誰でも簡単に無料で登録することができるが、この際に参加するランキングカテゴリーを選択する必要がある。カテゴリーは複数登録することも可能だ。また、ランキングサイトに登録したのなら、自分のブログ側にも、リンクをはることになっている。つまり相互的にリンクを貼り合うわけである。
登録が完了すると、それ以降ランキングに参加できることになる。登録したカテゴリーの中の多分は最下位に、自分のサイトがランクインされているはずである。
ブログランキングサイトを訪れたユーザが、サイトリンクをクリックしてあなたのブログにアクセスした段階でOUTがカウントアップされる。また、逆にあなたのブログに貼ってあるリンクからブログランキングサイトへとアクセスすればINがカウントアップされるという仕組みである。
なお、ブログランキングは、通常INの値によって決定される。また、INが同値である場合には、OUTが多い方がランキングは高くなる。
■様々なカテゴリー分類がなされているブログランキング
ブログランキングに数千と存在する様々なカテゴリーを見ると、そこにはカテゴリー内のランキングが表示されている。しかしこれを見ただけでは世相を読むことはできない。
世相を読むためには、カテゴリー内のランキングではなく、カテゴリー自体のランキングを知る必要があるからである。つまり、どの様なカテゴリーに人気があるのかを知る必要があるわけだが、これには、カテゴリーを開いて、ランキングの上位にあるINやOUT値を見ることである程度把握することができる。
たとえば、「トレード日記」カテゴリーの第一位の週間INは現時点で4380となっているが、一方で「フリーペーパー」カテゴリーの第一位の週間INは30しかない。このように、カテゴリー別にどのくらいの数値が計上されているかを見ていく。
当然のこと、人気の高いカテゴリーには多くのユーザが集うことになる。また、活発なIN-OUTが発生することから、当然より多くの数値が計上されることになるわけだ。
俺はカネはないが時間はあるので、この数値を見比べてみたことがある。少々古いデータではあるが、数値が高かったカテゴリーを、ここでちょっと紹介をしてみよう。なお、この数値は時とともに変動することを申し上げておく。
■INの値が高いカテゴリー
まずはINの値が高いカテゴリーだ。登録したブログからランキングサイトへやってきたアクセスの多いカテゴリーである。これはブログに高いアクセスがあることが予想されるカテゴリーということができる。
1.スピリチュアル
2.フィギュアスケート
3.中央競馬
4.癒し・ヒーリング
5.家庭料理
6.絵日記
7.ドラゴンクエストX
8.デイトレード
9.トレード日記
10.国際政治・外交
なるほどなるほど~。ブログで人気のカテゴリーとはこんな感じになっているわけですね~。ということで、これからブログを持って情報を発信することを予定されている方は、このようなカテゴリーで記事を書くと、比較的多くのアクセスを期待できるはずである。
まあ、ブログの場合頻繁に更新をしなければアクセスは減ってしまうので、アクセスを維持するのは大変な事ではあるが、少なくともあまり人気のないカテゴリーの記事を書くよりは、多くのアクセスを集めることに成功するはずである。
なお、どうせならひとつのブログで人気カテゴリーを全部入れ込んでしまえばいいのではと考える方もいらっしゃるかもしれないが、あまりお勧めはできない。「家庭料理」に興味があるユーザと「国際政治・外交」に興味があるユーザが同一である保証はないからである。
また、キーワードを拾う目的で無理やりコンテンツに多くのワードを入れる戦略も無理がある。結果的に読み手の興味を引く記事は書けないからである。
「でも、可能性はあるんじゃないかな?」と思われる方のために人気ランキングカテゴリーをすべて投入した文章を書いてみることにしよう。
「スピリチュアルな気分に浸っていた俺は、フィギュアスケート靴を履いて中央競馬へと向かった。そこは俺にとって癒しの空間である。俺はレースを観戦しながら家庭料理の代表格である卵焼きを食べた。また、帰宅後は絵日記を書きながらドラゴンクエストXをやった。夜はFXでデイトレードをやり大損をこいたのでトレード日記を書いてアップ。そして国際政治・外交の情報を収集して床についた」
・・・変態である。いや、意外にリアルかもしれない。しかしこれでは読み手はついてこない。よって人気カテゴリーに特化したコンテンツの提供がよろしいかと思う。
■OUTの値が高いカテゴリー
次にOUT側の集計ランキングをご紹介してみよう。OUT、つまりブログランキングサイトから、ランクインしているブログに移行した際にカウントアップされる値が多い順番ということになる。各々のブログのアクセス数はわからないが、少なくともランキングサイトを見ていたアクセスユーザが興味を引くカテゴリーであるとの予想は立つ。先のINとかぶるカテゴリーもあるが、この中から、現在の知識ニーズの需要を垣間見ることができる。
1.ドラゴンクエストX
2.フィギュアスケート
3.中央競馬
4.東方神起
5.家庭料理
6.スピリチュアル
7.絵日記
8.EXO
9.国際政治・外交
10.Kis-My-Ft2
これをみると、集計した段階において「ドラゴンクエストX」が強い。ゲームのニーズは現在も衰えていないようである。また、フィギュアスケートに加え、中央競馬も人気である。金がないのでギャンブルに走っているのだろうか。金がないのは俺も同じだが、残念な事に俺にはまったく博才がない。
さらに「東方神起」や「EXO」などがランクインしているが、これらをご存知だろうか。これらは韓国の人気ユニットなんだそうで、関連情報には強力なニーズがあるようだ。
昨今、嫌韓意識が広がる傾向にあるようだが、女性陣はそんなことはどこ吹く風である。先日も妻がライブに行くというので
「竹島返せーって叫んでこいよ」と冗談を言うと、
「何を馬鹿な事を・・・」と悲しい目をされてしまった。
しかし韓国のエンターテイメントは、確かに日本のそれよりもクオリティが高いように思う。多くの女性が韓国のエンタメにはしるのもわからないではない。また、家庭料理はレシピ関連や「今日はこんな料理を作ってみました」的なブログが受けているようだ。スピリチュアルも強いが、これは混沌とした現代社会を反映している。
絵日記が強いのは、数が少ない一方で読み手は気軽に楽しめるというメリットもある。
まあ、国際政治・外交カテゴリーが強いのは、せめてもの救いだろうか。最後の「Kis-My-Ft2」はいわずと知れたジャニーズである。日本のユニットにも注目が集まっているようだ。
■ビッグデータにはかなわないものの役立つランキングデータ
とまあこんな感じである。もし興味があったなら、是非ともブログランキングサイトをあれこれと見ていただきたい。おおよその世相は把握できることだろう。また、これらの動向から、新たなビジネスチャンスを見出すこともできるはずである。
昨今、流行の流行り廃りはとても早いものだが、ブログランキングの動向を見ていると、その流れの一端を捉えることはできるように思う。
企業は現在、ビッグデータから多くのビジネスチャンスを見出す方法を確立しようと躍起だ。私たち素人にそれはちょっと難しいかもしれないが、ブログランキングには、生のユーザーのニーズや思考動向を見ることができる。手軽な方法だが、案外有効な戦略となるかもしれない。
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