「自分は人とは違う」と思いつつ年齢を重ねる事実
■「自分は人とは違う」と考えたまま年齢を重ねていく
「自分は人とは違う」 これ、実に当然である。人と自分が同じであるはずがないわけで、だからこそパーソナリティが守られているわけだしね。ところがこの言葉、人生を論じる際に言う場合には、少々の注意が必要となる。今回はこの点について考えてみたいと思う。
もともと自分は人とは違うと考えている人は少なくない。たとえば、学校を卒業して就職をする。しかし思うような就職口を得ることができなかったり、突然のリストラにあったりして、思う方向とは違う方向へと流れていってしまうことも少なくない。
このような局面において、多くの人が「自分は人とは違う」と自分に言い聞かせる。今はこのような状況下に置かれているが、本来自分は人とは違う。こんなポジションに甘んじているわけではない。だから、そのうち這い上がってみせる。とまあこんな感じである。
ところが、想いとは裏腹になかなか這い上がることができない。
「そんなはずはない。俺は人とは違うのだ」
そう思いつつ、チャンスの到来を待ち続けるが、もう何年も底辺を這いずり回っている。
しかし時間は無情にも矢のごとく経過し、気が付けば晩年へと突入する。それでも、「俺は人とは違うのだ。必ず這い上がるチャンスが訪れる」とそう思い続ける。ところがなんの変化もないまま定年が間近となる。そしてこの頃になって初めて気づくのだ。
「おかしい。こんなはずはない」
■人と同じ人生となる理由とは
さて、せっかくの人とは違う輝くべき人生が到来するはずだったにもかかわらず、それが到来することなく一生が終わってしまうのはなぜだったのだろうか。また、どのようにすれば、人は異なる人生を歩むことができたのだろうか。
実は、人が人と同じ人生を歩むのは、至極当然の成り行きといえる。
まず、「自分は人とは違う」とそう考える時点において、実は人と同じ道を辿る可能性が高くなる。なぜなら、多くの人が同様に考えながらも、平凡な一生を送るからである。
では「自分は人とは違う」と考えながらも、平凡な一生を送るのはなぜだろうか。多くの人が同様に考えるものの、これまた多くの人と同様、軌道修正の為の行動を、誰もがが行わないからである。しかしこれでは笹舟に乗って思考を重ねるようなものであり、流れに身を任せているに過ぎない。
水は上流から下流へと流れる。そしてその流れに乗る笹舟に乗っているわけだから、当然のこと、下流へと流され続ける。当然のことなのだ。
■「自分は人とは違う」と考えつつ人と同じ人生を歩む
だからこそ、もし「自分は人とは違う」と考えるのなら、その時点から、人とは違う何かをすぐにでも始める必要がある。小さなことでも良い。しかしそれを、試行錯誤しながら、積み上げていくことが重要となる。この些細な行動を、実は多くの人ができない。
自分は人とは違うと思いつつ、人が一般的に陥りやすいライフスタイルから抜け出すことができず、常にほしいものを求め、楽を求め、そして眠りにつく。これでは、人と同じ人生を辿るのは当然なのだ。
また、中には一度浮上したものの、結果的に陥り、あとはずっと底辺を這い回る人間もいる。このような人の場合、さらに深刻な状態を招くことがあるので注意が必要である。
このケースの場合の問題は、一度だけ浮上した要因に隠されている。それは、浮上したのが、たまたまであった場合である。何らかのビジネスを起業したり、投資に手を出す場合、中には面白いほど儲かる局面を見ることがある。するとここで多くの人間は、思うものである。
「やはり俺は人とは違う。選ばれた人間である」
とまあこんな感じである。ところが、たままたマーケット拡大に乗っただけであったり、投資においても自分の手法がたまたまその時の市場動向に合致していたなどの要因において、大きなお金を手にすることができただけというこ方も少なくない。
ようは、乗っていた笹舟が、下流からの大きな流れに押し戻されることで、上流へと一時的に流されただけにすぎないわけだ。この場合、流れが再び下流に向かえば、その流れに乗って再び下流へと向かう。つまり、自らなんら舵取りを取らないまま、一時的に上流へと押し流されただけなのだ。
ところが、当人は人とは違うことをすでに確信している。
その後、どのような状態になろうとも、「自分は人とは違う」という事実がある。だから、その後もずっと何もしないまま、次のチャンスを待ち続ける。ところが、そんなイレギュラーは毎度起こるものではない。よって、チャンスの再来を信じつつ、生涯を終える可能性が高くなるわけである。
■人とは異なる人生を送るためのコツとは
「俺は人とは違う」
このように思われるのであれば、今日から、人とは違う何かを始めよう。そしてそれを日々積み上げよう。また、日々試行錯誤を重ね、とにかくは日々前へと進もう。このような地道な取り組みは、必ず自分の考える方向へと、いざなうものである。
なぜなら、日々の小さな積み重ねを続けることは、誰もが考えていながら、実行することができないことであり、それを続けることで、「人とは違う」自分を具現化するこになるからである。
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