50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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「ワンオペ」から読み取ることができる経営者の意識


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■「ワンオペ」によって露呈した問題とは

「ワンオペ」という言葉が流行った一時期があった。新聞紙面や雑誌、インターネットなどでもよく取り上げられたので、誰もが知る言葉だといえるかもしれない。

「ワンオペ」とは、アルバイトなどがひとりで店を任されることを意味するらしい。とある牛丼チェーンにおいて、そのブラックぶりがこの一言によってクローズアップされたのは記憶に新しい所だ。

これを期に、この牛丼チェーンは深夜営業の停止を余儀なくされたり、店舗によっては閉店へと追い込まれることになった。多くの人材が「こんな仕事やってられるかよ」と仕事を辞めた結果なのだろう。

この企業は、業務改善やネタの火消に躍起になっていたが、トップのボヤキにすべてを見た気がした。「一生懸命、真面目に経営しているのに・・・」と、そんな類のコメントを発表したのだ。

この企業の「真面目」が何であったのか。牛丼チェーンを展開する企業は複数あるが、それまで熾烈な価格競争のドツボにハマっていた。より安い商品を提供しなければシェアを食われてしまうから、生き残ることができなかったわけだ。

デフレの最中だから致し方ないといえばそれまでだが、彼らは真面目に経営することでこれを乗りきろうとしたということなのだろうか。しかしその結果、多大な苦労を背負わされたのは、末端のアルバイトであり彼らに課せられた「ワンオペ」だったわけだ。

価格競争には勝たなければならない。それには人件費をできうる限り削減する必要がある。ところが社員の給与を大幅に下げることはできない。よって、末端のアルバイトの費用を最低限に抑えることで、この苦境を乗りきろうとしたのかもしれない。

「ワンオペ」では、店をひとりで回さなければならない。中には12時間以上、たったひとり連続して働く必要があったアルバイトもいたそうだ。まさに過酷な労働環境であったわけだが、これが企業のいう「真面目」の結果である。

ブラックといわれる企業は、同時期に何社も取り上げられたし、現在も数多く存在する。ま、もともと仕事は楽なものではないが、それでも法治国家である日本の企業が、労働基準法に抵触してまで過酷な労働を強いる一方で、本来支払うべき賃金を支払わないのというのはなぜなんだろうか。

そもそも末端の社員や派遣社員、アルバイトを安く使うことで利益をあげようとするビジネスモデルが安定をもたらすとでも、本当に考えているのだろうか。弱者をダシにつかうことが、本当に「真面目」なんだろうか。これ、本当に疑問だ。

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*俺は牛丼が昔から大好きである。なお、この写真はイメージです。


■法治国家であることを忘れている経営者

雇われた以上、その仕事に前向きに取り組まなければならないのは当然のことといえる。給料をいただくのだから、その分の労働は提供しなければならない。しかし無給で働く必要はないし、命をかける必要もないと思う。

また、会社側は「死ぬまで働け」なんていってはならない。国民は、基本的人権や生存権が日本国憲法によって保障されている。これは誰もが犯してはならないことだ。

にもかかわらず、そんな違法行為を平然とやろうとする人間の意識構造がわからない。上質な労働力を得たいのであれば、それに見合う賃金を支払う必要があろうかと思う。たとえアルバイトであっても、その労働力に依存したビジネスモデルなら軽軽しく扱うべきではない。それは企業自体の存続にも関わることだからだ。

まあ、末端の仕事にもありつけない俺がいっても説得力にはかけるわけだが、でもこの類の問題は、末端がいわなくて誰がいうのだろう。安定した地位にいる人間が、本当に末端の苦しさを理解しようとするだろうか。

「会社のためだ。人件費は最低限に抑えろ」
「企業が存続するためだ。サービス残業くらいで文句をいうな」

経営者サイドからすれば、一見至極真っ当かと思えるこのような意識は、会社を支える末端の労働者のことを真剣には見ていない。

確かに単なる労働力であるわけで、そこには何の思い入れはないかもしれない。しかし末端の労働力に依存している以上、問題が露呈した際には、企業自体の存続さえも危うくなることを、ぜひとも経営サイドの方々にはご理解いただきたいと思う。

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