50代からの貧乏ながら気楽な人生

ミドルの視点から見たさまざまな問題やネタを綴ります。

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突然降りかかる予想すらしなかった老後破産

■突然老後破産状態に陥るリスク

老後破産状態に陥る高齢者の多くは、自らがそんな状況に陥ることなど、予想すらしなかったという方も少なくないという。これは、逆に考えるなら、現在、老後破産をまったくの他人事と考えている人の多くが、後に老後破産状態となるリスクも高いと言うことに他ならない。

では、なぜ老後破産に、突然遭遇することになるのだろうか。あらかじめ資金的な準備をしっかりとしておけば、このような事態は回避できるはずである。ところが実は、老後を迎えてみなければ見えにくい、様々な障害やリスクが存在するという。

たとえば、年金のみで生活を支えることができない場合であっても、働くことで家計を支えることができるだろうと考えているケースだ。しかし急速に体調が悪化し、働けなくなると言うことも珍しい話ではない。働けなくなれば、当然収入を得ることができない。また、支出については医療費が負担となることから、二重苦を背負い込むことになる。

リスクは当人以外を原因として生じることもある。夫や妻が痴呆症を発症し、フルに介護が必要となった場合、働くことができなくなる一方で、負担は大幅に増大することになることだろう。

さらには、最近では夫婦以外に問題を抱えることで、老後破産へと陥るケースも目立ち始めている。パラサイト・シングル存在である。パラサイト・シングルとは、親と同居し、基礎的生活条件を親に依存する未婚者をいう。つまり、息子や娘が、学校を出た後も独立することなく親と同居することで、老後のコストが増大し、生活が立ちゆかなくなるというケースだ。

 

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■子供との同居によって打ち切られる生活保護

本来であれば、子供が成人し、独立してしっかりとした収入を生めば、そして家庭を持ち始める頃になれば、親はむしろその子供に依存することで余生を送ることも可能となった。ところが、最近では非正規労働者の増加に歯止めがかからないことから、成人しても安定して生きることができず、自立さえ困難となる若者が少なくない。

非正規の場合、永続的な労働が難しいことから、働いては仕事を探すといったことを繰り返す必要に迫られる。また、平均年収が250万円程度、場合によっては100万円台の労働者も珍しい存在ではなくなりつつある。すると、独立して生活しようにも、物理的に困難となり、どうしても実家に戻り、親と生活を共にする選択をせざるを得なくなる。
高齢になれば、それだけ知力も体力も落ちていくことから、できれば子供と同居したいと考える高齢者も少なくはない。一方、子供からしても、年々小さくなっていく親を見るにつけ、近くで面倒を見たいと思うこともあるだろう。

よって、親と子供が同居を再び始めることになる。ところが、子供の所得が安定しないことから、不足分を少ない生活資金から捻出する必要が生じる。高齢者のみの世帯であれば、年金での生活がままならない場合、申請をすれば生活保護を受けることができる。ところが働き盛りの世代と同居する場合、無条件に生活保護を打ち切られる場合が少なくない。

「働く世代の息子と同居をされるわけだから、国が支援しなくても、生活をすることができるはず」との一方的な判断により、生活保護が打ち切られてしまうわけだ。しかし、パラサイト・シングルに生活力はない。現状では、同居を始めた段階で、生活が困窮し始め、ついには老後破産状態へと陥ってしまう方が最近増加しているのだ。

■貧しければ親子の同居すらできない現実

この問題は、生活保護の認定条件をいち早く変更しなければ、さらに拡大を続けることになる。親子が同居をした場合でも、双方の収入が生活保護基準を満たさない場合であれば、本来であれば生活保護は継続されるべきだ。ところが現在では、それを認めない場合が多い。このため、生活保護を受けるには、世帯分離を行う必要がある。つまり、生活をともにしつつ、仕事をやめて親を介護することができないのだ。

親からすれば、住み慣れた我が家において、子供と生活を続けたいはずである。ところが、これでは生活保護は受けることができない。よって、施設などへ入所することで、世帯分離を行い、親は生活保護費で、また、子供は別の生活支援や就職支援を受けることになる。選択肢が他にないとするならば、貧しい親子は、生活を共にする自由すら奪われることになる。

行政は、いち早くこの問題を解消するための策を講じる必要がある。たとえ貧しくても、親子が生活を共にすることができる道筋を、早急に切り開いていただければと思う。

 


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